ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
● ○ ● ○ 彼女をベッドに寝かし暫く寝顔を見ていた。多分三十分もすれば起きるだろうと当たりをつけ待つ事にした。プロの撮ったPVと写真は後から郵送になるが、黒澤が写真のデータを転送してくれていたのでそれをゆっくりと見る事にする。彼女のいろんな顔が収められていた。一枚ずつ眺めながら振り返る。そんな時間も楽しい。 急に彼女が『龍さん! うちというものがありながら、ひどい!』と叫んだ。(龍さん? 龍さんって? 龍、龍……坂本龍馬? どんな夢見てんだ?) そう思いつつ、寝顔を覗くと眉間にしわを寄せている。どうやらいい夢じゃなさそうだ。うなされ始めたので起こした。 目を開けてオレを見ると『龍さん』と言った。「ん? 龍さん? オレの事か?」「……夢? ごめん。寝惚けた」 彼女は身体を起こし目を擦り、それからオレを盗み見るようにちらっと見た。オレも彼女の様子を見ていたので目が合った。彼女は慌てて目を逸らす。唇が心なしか尖がってなんか拗ねてる顔をしてた。視線を感じたのか、傍らの枕を取り、顔を隠した。「なまえ、どんな夢見てたんだ?」「な、内緒」「教えろ」「やだ。ばかだと思われるか、あさましいと思われるもん。嫌われるとやだもん。言わない」「じゃあ、当てる。んー、龍さんか。坂本龍馬? オレを見て龍さんって言ったな。オレが坂本龍馬だったんだな。うちというものがありながらって言ったから、お前はさしずめお龍といったところか? そのお前がひどいと思う事をされたんだな。龍馬のオレが浮気でもしてた? 違う?」「もー何でそんなに頭が良いんだよ。分析するな」「当たりなんだ。ふふ。お前、ヤキモチ妬いちゃったんだ?」「そうだよ! 寺田屋で風呂に入っていて捕方(トリカタ)に気付いて 急 を知らせるのにぬれたままで帯も着けずに着物をひっかけ二階に駆け上がったんだ。裸同然で必死に。戸を開けて飛び込んだら、その……君は真っ最中で女の上に乗ってた。『誰?』と聞いたら『お龍さんの前に惚れてた女だ。綺麗だろう。何だ? そんな恰好で。次に抱いてやるから待ってろ』と土佐弁で言ったんだ」「ふ、あれだろ? その時下にいたのは、結菜だったんだろ?」 彼女が『ぐっ』と声を漏らし俯いて顔を背けた。「じゃなけりゃ夢から覚めた後まで、そんな拗ねるワケねーもんな。大方、イメージが残っちまって消えねーんだろ。な?」 彼女がべそを掻きそうな顔をする。「ばかだな。お前は」 そう言って抱き上げる。『何?』と首を傾げる彼女に言う。「夢ん中で風呂、途中だったんだろ? お龍さん。一緒に入ろう」
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。