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──と、小野瀬さんが笑う。「あはは。おチビちゃん、なぁに? 結局、のろけなの?」「あー、そうだ。脱線した。まあ、のろけと言えばのろけなんだけどぉ、お父さんが、いつもと違うって話だよ」「あ? 同じだろう? 俺の何が違うんだよ?」「違うじゃん。いつもならさー」 彼女が室長の真似をする。「あら、何よ? 同じでしょう? アンタ、私の何が違うって言うのよ──と、オカマキャラになるもんね。今回は普通に話してる」「バーカ。いいの。俺もプライベートだからな。オカマもお休み。いいだろうが」「ん、いい、いい」「チビ助、どうでも良さそうに言うな」「えー、どうでもいいわけじゃないよ。要は楽しく過ごせれば、オカマでも、素でもいいって事。僕も、お父さんも、昴も、みんなも楽しく過ごそうね。せっかく旅行だしさー。ふふ。ねー?」 そうみんなに言って楽しそうに笑った。みんなも『だな』と笑顔になった。 ● ○ ● ○ オレ達は着替えて着物を返すとまた観光する事にした。「ねえ、もう*薄桜鬼の**スタンプラリー行かないと」「あ? そうだな。もうそろそろ行かねーとな。みんなはどうする?」「何だ? その薄桜鬼って」「新選組を題材にした乙女向けの恋愛ゲームですよ。人気があってアニメや映画にもなった作品ですよ」 黒澤が説明する。「あ! またあれだろ? 僕の好きなぁ声優さんがあ、いっぱい出てるのぉとか言い出すんだろ? チビ助」「せーかーい! 大当たりぃー。ってかさー、それ、僕の真似ぇ?」「そうそう、似てたろう?」「えー僕ってあんなかんじ?」「うーん、まあ雰囲気やろ? ところでスタンプラリーって?」 藤守の質問に興奮気味に説明する。「嵐電が薄桜鬼仕様になっててそれ見たいし、四条大宮駅、嵐山駅と壬生塚と映画村に行ってスタンプ集めんの」「電車がラッピング仕様なんや?」「そうそう! それも楽しみにしてた!」「じゃあ、俺も行く。チビ助の好きなそのゲームはよく知らねえが、宿に行ったって酒飲んで風呂はいるだけだからなあ。チビ助からかってた方がおもしろい」「何、お父さん。その僕で遊ぶ気満々な発言。僕はおもちゃじゃないの」 結局、みんなで回る事にして電車移動をしつつ、乗客がたまたま他にいなかったので、彼女がみんなに薄桜鬼の事を教えてくれた。『ふぅーん』聞く室長に『こういうのだよ』と言いつつ、携帯に入ってたムービーを見せた。すると、室長が言い出した。「あ、俺こいつ、土方? の真似なら出来そう。[俺の目の届かないところで、勝手に命を投げ出そうとするんじゃねぇ]ほらほら、似てたろう?」「きゃー♪ うんっ! お父さんすごい! うまーい。もっと聞きたーい」 パチパチと拍手しながら褒める。そんな風ににこにこと素直に褒められて悪い気はしないだろう。室長は気分良さそうだ。「チビ助は新撰組が好きっていうよりそのゲームが好きなんだろう?」「ん、だね。ゲームのが好きかな。土方歳三って実物も男前だし、すげー人物で──隊に入る以前は人当たりの良い人物で[トシさん]と愛称で呼ばれる程、みんなから好かれる性格だったらしいのに、新撰組では一転して[鬼]と呼ばれる程非情に徹し、汚れ役も引き受けてたんだって。それってさー、外には一切出さなくても多分、葛藤や苦悩は抱えてたんじゃないかな。つらい事だと思うんだよねー。それでも、志を貫き通す為に徹する。その心の強さがすごい。他にも、吉田松陰や坂本龍馬や高杉晋作、勝海舟、みんな逸話とか名言とか読むとすごいと思える人が沢山いてさ。興味深くはあるけど、でもこれ本当の事だったんだよなと考えると、常に死が当たり前にすぐ隣にある時代は怖いとも思う。ゲームや書物を眺めてるなら良いけどね。僕は[死]は怖いよ。目の前で誰かが死ぬとこなんか見たくないしヤダ。考えてみると変だよね。OLとかより、死が身近にあるこんな職業についてて、こういう事言うのはさ。ふふ。でも[誰かを助け守る仕事]の認識でこの仕事を選んだからなあ。まあ、薄桜鬼では、みんなそれぞれ素敵だけど強いて言えば、土方さんが一番好きかな。声優さん良い声だしぃ。あ、着いた着いたー」*実在します。**やってます。
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