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「昴ってば、お茶を点てる姿も素敵だった。もう見惚れちゃったー!」 彼女がちょっと興奮気味にうっとりと言う。「ずーっと見ていたかったなあ。あ、そうだ、黒澤さん今の昴の事、もしかして撮ってくれてたりします? きゃー良かった! 黒澤さん。じゃあ、じゃあ、後で下さい。引き伸ばしてポスターにしようかなあ。あ、結婚式の時の制服姿と、今日の和服姿も大きくして並べて貼ろうかなあ。うふっ、良いかも」「ああ? ダメ、ダメ。家の壁、オレばっかりになっちゃうだろう」「いいじゃん。昴のカッコイイのいっぱい、いつでも見られるなんて最高だよ」「それじゃ、オレがナルシストみたいだろーが。気持ち悪いつーの。それよか、お前の写真にしよ。白無垢と今回撮ったのと、あー他にも良いのがいっぱいだなー。どれにすっか迷う」「えー、やだ。それじゃつまんない。僕が僕を見たって楽しくない」「だろ? だから、ポスターはやめような」「うーなんかうまく逃げられた気がするんだけどぉ。頭のいい男はこれだからなー。もーかなわないなー。んむぅーちょっとくやしい」 彼女が頬を膨らます。「おいおい、せっかく着物で和美人なのに、膨れてお餅ほっぺでいいのか? ま、オレはいつものなまえでも十分可愛いと思うからいいけど?」「あ、そうだった。おめかし中だ。忘れてた」 彼女がぺろっと舌を出す。その彼女らしいしぐさに室長が笑う。「やっぱり、着飾っても中身は、まんま変わらねえなあ。はっはは」「いいーの! そんなにころころ変わったら大変だよぉー。そういうお父さんだっていつもと一緒──あ、一緒じゃないや」「あ? 何だ? チビ助、いつもよりカッコイイか?」 ニヤリと笑い聞く。「はいはい。カッコイイ、カッコイイ。お父さんも、皆さんも、カッコイイよ。昴にはかなわないけどね」「何だよ、チビ助。昴にはかなわねえのか?」「ん、昴が一番で、誰もかなわないの。だって、元々何もしなくても最高級にイイ男なのに、更に好き好きフィルター掛かってるからねー。僕にはキラキラ輝いて見えるんだよ。かなう訳ないでしょ」「好き好きフィルター? なまえさんそれは何ですか?」 藤守兄が聞いて来る。「ん? つまり、惚れた欲目ってみたいなもんだ。な? なまえ」「ま、そう」「惚れた欲目、か。なまえはおもしろいことを言い出すんだな」 後藤が言う。「ん? 別に普通でしょ? みんなだって好きな人はキラキラして見えない? 僕だけ?」 と、順番にみんなを見回し最後に後ろにいた桂木さんを見ながらどうなの? って感じで首を傾げた。「え? そ、そうですねえ。言われてみると、輝いて見えるかも知れないですね」「ああ、そうやね。そう言うたら好きな子ぉはキラキラ見えるかも」「でしょー。ね? 秀樹兄ちゃんもそうでしょう?」「ふっ、貴女はいきなりふって来ますね」「だってぇ、すました顔してんだもーん。せっかくお話してんだから、兄ちゃんも話題にのって、のって」「ははは。かなわないなあ。お前には。そうですね。好きなひとはそう見えますね。特別、ですからね」「ああ、特別かあ。そうそう、それだあ。さすが秀樹兄ちゃん。特別、特別」
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