中で撮影を終えて散策で外に出た。手を引きゆっくり歩く。みんなと、ゆっくり景色やなんかを楽しみつつゆったり穏やかな時間を過ごす。黒澤がバンバン写真を撮り捲ってちょっと彼女は恥ずかしそうだった。はにかむ様子も可愛かったので、好きなように撮らせておいた。と、でっかく丈一郎より更にくまのようながたいの外国人が『Oh! maiko!』と第一声をあげた。彼女が『Do you mean me? No── (私の事? いいえ──)』と説明しようとしたが、聞いちゃいなくて興奮しえらい早口で『She is stunning! I wish I had your charm only to myself (シビれるほどに美しい! なんてきれいなんだ。きみの魅力を独占できたらなーみたいな意味)』とかべらべらと喋りながら彼女に向かって来た。いきなり出現したでかいヤツの、早口でよく動く口に彼女は焦る。
「え? 何? そんな早口じゃ分かんない……。uh...Please speak more slowly. (え~と、もっとゆっくり話して下さい)──きゃあ」 またまた途中で、彼女をいきなりハグした。慌てて引き離し[彼女は舞子ではない。自分の妻であるから、やめてくれ]──そんな事を話した。そいつは[謝りながらネットに旅の体験記を書いている。そこに載せたいので写真を一枚撮らせて欲しい]と言うので断った。男があまりに粘るので、仕方なくオレと彼女と男の三人で写真を一枚撮った。男が礼を言って去ると、彼女が『ちょっと疲れた』と言うので茶屋で一休みした。