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● ○ ● ○ それから、思った通り彼女は落ち込んだ。普段と同じように振る舞いながらもふとした時にぼんやりした。そう、今のように。今朝も早くから、みんなより一足早く起きて洗濯を干し終えた所らしい。 昨日の朝も見たその光景。縁側で空になった洗濯物入れを膝に抱え、ひとり何か考え込むようにぼんやりしてる。「お早う。今朝も早いな。もう干し終わっちゃったか。一緒にやろうと思ったのに、間に合わなかったなあ。悪りー」「おはよう。ううん、大丈夫」 答える彼女の背後に回り腰掛けると抱き包む。「で? オレの愛妻は何を悩んでるのかな?」「え?」「誤魔化そうとしても無駄ですよ? 奥さん。早く自供して楽になりなさい」「ふふ、それじゃ取り調べみたい」「ん? 知らなかった? こう見えてもオレ、エリート刑事さんなんだぞ?」「ふふふ、知ってる。優秀なイケメンエリート刑事さんよね」「そうそう、また、特に大好きな奥さんの事は分かっちゃうんだなあ。ふ、だから無駄だよ。隠しても。……トラウマ、気にしてんだろ?」「ん、心配になっちゃってさ」「心配?」「そう、もしも警護中にさ、虫出たらどうしよう。あんなにひいひい言ってちゃダメじゃん? 危険になるかも。僕、向いてないかも」「ん? 警護任務に?」「んー、刑事に……」「あれあれ、そんな所まで考えが飛躍しちゃったか」 シュンとする頭を撫でる。「ちょっと飛び過ぎだなあ。戻っておいでー。考え過ぎだぞぉ」「もー、マジメに言ってんのにぃ」「ん? 別にからかってないぞ? オレもマジメに言ってる。考え過ぎだ。オレはお前をよーく知っていて警備プロジェクトのリーダーでもあるワケだが、はっきり言って全然心配してねー。あのなー、苦手なもんがねー人間なんてそうそういねーよ。だが、案外大丈夫なもんだ。ヤバい時は仲間がフォローする。モスラの時もお父さんやみんなが助けてくれたろ? それにな、お前*オレが苦手なもんは僕が頑張るって青くなりながら言ったろ? 覚えてるか?」「覚えてる。ってか、今だって頑張るぞ? あれは嘘じゃないもん」「だからだよ。そういうお前だから、きっと青くなりながらだって警護を続けるよ。たとえ、マルタイがオレでなくてもな。お前はそういう子なの。だから大丈夫。それにさ、お前には信念があるだろ? 仲間は見捨てない。困ってる人は助けたい。そう思う気持ちがある限り、お前はこの仕事に向いてるよ。心配すんな。無理してまでそんなに強くなる必要はないんだよ。お前はお前らしく今まで通り頑張りゃいいの。もうな、ひとりじゃねーんだぞ。オレも、みんなもいるんだぞ。忘れんなよ? 分かりましたか?」「ん、ありがと。すぅ」「あ、でも、暴走すんのは無しな。それから──」「自分の事も大切に、でしょう? 了解です」「おっ、覚えたじゃねーか。おりこう、おりこう」 また、頭をいい子、いい子して撫でる。「じゃあ、おりこうさんにご褒美をやろう」「ご褒美? 昨日スイーツ食べに行ったよ?」「ん? もーっといいものだよ。ただし、今じゃなくて秋になったらな。楽しみにしてなさい」「ん、分かったー! 楽しみにしてるね」 縁側でそんな話をしながら、きみの笑顔が戻った事にホッとした一日の始まりだった──。*詳しくはShe's So Delicateをお読みください。この続き、裏描写OKの方は32。(Hあり√)裏描写無しの方は32。(Hなし√)へ続く。
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