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● ○ ● ○ 射的にはさっきと違い時間が遅くなったせいか、他に客が居なかった。「多分みんな巧いんだろうとは思うけどぉ。けどさ、やっぱーそん中でもうちの明智さんが一番巧いんじゃん? 射撃は明智さんがサイコーっしょ」 彼女が『えへへ』と自分の事のように自慢気に嬉しそうに言った。「ああ? うちの班長だってすごいぞ?」 それに対し負けじと言う海司。水をさされた事に彼女は唇を尖らせ不満そうな顔になる。それから二人は幼い子供に戻ったみたいな雰囲気で、張り合い出した。「それはそうかも知んないけどぉ。あ! うちなんかねぇー、お父さんも巧いよ? あとねーあとねーダーリンも超ー巧いよ! あー僕も、海司兄ちゃんよりも巧いかもぉー」 どうだあ? とでも言いた気にえっへんと胸を張る。それを見て、石神がふっと笑う。「あれは、まだ酔ってますね」 そう言った石神の声に反応して彼女が言った。「あ、そう言えば、秀樹兄ちゃんも巧い! 前、パーティー会場で助けてもらった。ね? ね? すぅ、秀樹兄ちゃん巧かったよねー。助けてもらったじゃん」「ああ、そうだったな」「なーんだ、みんな巧いって事じゃーん。ふふ、みんなすごーい。あ、でも海司兄ちゃんには勝てる」「なんだよ。なまえ、弟の分際で生意気な」「あ? だから、弟じゃねーえって。海司兄ちゃんのアホ」「じゃあ、勝負っすか?」「おう、望む所だー」 そうやって始まったが、彼女は酒がまださめておらずミスって負けた。「あー失敗、負けたぁ。しまった。飲み過ぎたー」 シュンとする彼女に海司が追い打ちを掛ける。「へへーん。俺が勝ちな」「むぅー、くやしい」「どれ、チビ助。お父さんがかたきを取ってやる」 途端に顔を輝かせる彼女。逆に海司は『ゲッ』と焦った顔になった。「きゃーお父さん頑張ってー。へへーん。うちのお父さんはすごいぞー? 上手なんだからなーぁ」「お前、ずるいぞ」 海司が言うとあっかんべーとやった。「えーなまえちゃん、うちの班長だってすごいよ? じゃあ、班長、頼みます」「あ? そら。俺がやるのか?」「そうですよ。頼みますよ。班長」 海司からも言われ『班長、班長』と班長コールがかかり桂木さんが、断れずに前に出た。彼女はそれを見て『んー』と何やら考えた。「桂木さん」 ちょっと可愛い声を出した彼女に呼ばれ桂木さんが『はい?』と振り向く。「頑張って下さいね。でもぉ、お手柔らかにお願いします、ね? うふっ」 そうウインクをした。桂木さんが赤くなりどぎまぎする。「あーきったねーぞ」 海司が言うが彼女は『応援しただけだもん』と知らんぷり。
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