ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ちょっと、止め止め。暗い話はおしまいにしましょう。そうだ。今夜、花火やりましょうよ」「ふふ、花火楽しそうでいいですね」 室長の言葉に瑞貴が言うとそらがにこにこして言った。「ここには、浴衣ないの? なまえちゃん浴衣着たら可愛いよね」「ん? 浴衣か。母さんのがあるかな。ツル達に聞いてみるか」「あ、なまえ。その時俺スイカ食いたい」 海司が言う。「じゃあ今夜スイカ出すよ。そうだ、スイカの裏ワザこの前見たんだ。やってみよう」「何それ?」「定番の扇形じゃなくて、アメリカ式で切るとスティック状になって食べ易いんだって」「アメリカ式って、どんなの?」 そう聞く海司に、彼女は近くにあったメモに絵を書きながら説明する。「模様を横切るように半分に切ってぇ上から格子に切るの。なんかさ、知らなかったんだけど、スイカって黒い線の所に種があるんだってねー。知ってた? 海司兄ちゃん」「知らなかった」「ははは、一緒だ。他にも甘さが均等になる切り方とか色々あるんだってさー。今夜はこの切り方してみる。手とか口とかべたべたになんないらしいから。さて、昴、離れにもらったのとか、スイカとか、お裾分け持って行こうと思うの。手伝って」「了解。ついでに浴衣の事も聞いて来よう」「じゃあ、俺は晩飯を運んでおく」「あ、明智さんすみませんが、よろしくお願いします」 スイカを少しとお惣菜を取り分けて、離れに持って行く。来た時に食事を一緒にと誘ってみたが『二人でやりますので、気持ちだけで』と断られていた。気を使うだろうし無理強いをしてもと以後、別々に食べているが、時々こうしてお裾分けには来た。 浴衣はやはり母さんのがあった。何種類かあり、出してくれた。「なまえ、これなんか似合うんじゃないか?」「お義母さんの借りても良いの?」「ああ、いいよ」「昴坊っちゃん、じゃあお支度はご飯の後ですか?」「ああ。でも、着付けはオレがやるよ」 ツルに答えていると、カメが聞いて来る。「昴坊っちゃんのも、旦那さまの浴衣も、沢山ございますけど、みなさんもお着替えになりますか?」「そうだな。出してくれるか?」「今夜は、盆踊りにお出掛けですか?」「ツル、盆踊りって何だ?」「あら、昴坊っちゃん。ご存じなかったんですか?」「ハルさんの神社、覚えてますか? 昴坊っちゃんがお正月やなんかに、こちらにおみえになった時によく行かれてた神社です」「ああ。覚えているよ」 二人で説明してくれるのに答える。
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。