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「なまえー。俺達、宿題出来たー」「あと絵日記だけー」「おぉ、すごいなぁ。頑張ったじゃないか。えらいぞ。分かんないとこ、分かるようになった?」「おじ──お兄ちゃんに聞いたら分かるようになったー」 おじさんと言い掛けて慌てて言い直した。(ちびっこのくせに、気を使ってる) そう思うと、おかしくなって来て笑いそうになる。「そっかー、それは良かった。やっぱゆうと達はバカじゃないじゃん。コツが分かんないだけで、やる気になって頑張りゃあ出来んだよ。なあ。おチビ達はまだまだこれからだ。可能性がいっぱいあんだよな。ふふ」 笑顔になってみんなの頭を撫でた。「なまえ、可能性って何だ?」「うーん。可能性を簡単に言うとぉ、大人になったら、なりたいものがあるだろ?」「私、お菓子作るひとー」「へぇーパティシエさんかあ」「僕、野球選手になってメジャーリーガーになるー」「電車の運転手ー」「おお、なんや電車好きか?」「うん!」 藤守がにこにこして、その子と電車の話をし始めた。他の子も、アイドルだのプログラマーだの色々夢を言った。「なまえ」 黙ってたゆうとが彼女を呼ぶ。「うん? 何?」「あのさ、なまえは警察官なの?」「うん、そうだよ。ここにいるお兄ちゃん達もみーんな警察官だよ」「ここんちの一柳のおじさんは?」「警察官だよ」「やっぱりそうか。前、カメばあちゃん達がそんな事言ってた。すっごいりっぱなえらい人だって」「うん、そうだな。強くて優しくて、立派で偉い人だよ」「なまえ」「うん?」「俺ね、警察官になる。ここんちのおじさんやなまえや、お兄ちゃん達みたいになる」 みんなが『おおー』と言って笑顔になった。こう言われるとやっぱり嬉しいもんだ。「そうか、ゆうとは警察官かあ。さっきの可能性ってのは、そういうなりたいものに、頑張ったらなれるかもよって事だよ」「頑張ったら?」「うん、そう。ポケーっとしてても警察官にはなれないの。そうだなあ……ゆうとはまずサボらず勉強して、いっぱい遊んで身体動かして、いっぱい食べて夜はしっかり寝る──普通の事をちゃんとする事から始めたらいい」「んー母ちゃんがいう事、みんなやればいいのか?」「ゆうとは、そんなに母ちゃんに言われてんのか? ふふ……そうだな。じゃあ、まず母ちゃんの言うのをちゃんとするんだな。それが第一歩」
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