ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「次、真山。世田谷の報告をしてちょうだい」「はい。世田谷連続切り裂き事件ですが、発生時刻は早朝及び夕方、登下校時に一人になった所を狙われています。*マルモクによれば、身長百七十センチ前後、痩せ形。フードをかぶりマスクを着用していた為に顔をはっきり見ておらず、似顔絵作成は無理でした。尚、*マルガイ同士に面識はありません。マルガイの共通した特徴はミディアムヘアの美少女。モテ系女子──」「ミディアムヘア? モテ系?」「ああ、ミディアムっていうのは肩よりちょっと下位の長さ。そうですねー……たとえるならチビよりも、もう少しだけ長めの髪型の事ですよ。モテ系は男ウケするタイプ。人気あるって事ですねー」 そういう事に疎いらしい明智さんに、如月が説明する。「真山、怨恨の線であがって来た者はいないのかしら?」「はい。共通する顔見知り、知人は出ませんでした」「勝手に逆恨みしてるって線も、ありえますよねー」「無差別の線もある」 如月と小笠原の言葉に皆が資料を見つつ『うーん』と考え込む。 オレは、真山の報告を引き継ぎ続ける。「それとその内の一件は、早朝に制服でなく髪を切られています。徐々に犯行が変化、エスカレートしているようです」 オレの報告を聞き如月が、ため息まじりに溢す。「必死に捜査しても進展もないまま、エスカレートかー。一番、嫌なパターンですね」「そうやね。危惧していた展開になって来よったわ」「うーん。捜査方法を変えてみたら、どうですかねぇ? 外から探ってダメなら、今度は内部から探ってみるとか」 真山の提案に、室長が『内部からねえ……』と考え込んだ。それを見て真山が、具体案を口にした。「僕が、そうですねぇ……。例えば転入生とかになって。一柳さんは、眼鏡でも掛けて臨時教師で。潜入捜査とか。潜入捜査だけど、その程度なら違法捜査には該当しませんよねぇ?」「まあ、大丈夫じゃないかー? それよりもさー……」 如月がそこで何事か考えるように黙り、続き室長が『潜入?』と真山の言葉を受け呟くように言った。「真山が転入生──つまり、女子高生?」 室長が今言われた事を、確認し整理するように繰り返す。それと一緒にみんなが頭の中で反芻するような表情になった。「その方が、情報が集まるかも知れませんよ。もしかしたら*ホシと出会すかも知れないし」「ええーっ! 女子高生??」 オレを含めた全員が、驚きの声を上げる。「何です? みんなしてその反応は?」 真山が片眉を上げて、怪訝そうに問う。「だってねえー」 如月がちょっと言い辛そうに口ごもり、オレを見る。(オレに振るな、オレに! 相方に《女子高生は無謀だろ》なんて言えるか。可哀想だろ) そう思いつつ、如月の視線から逃れる。 だが、容赦のねーヤツ等がいた。*マルモク:目撃者*マルガイ:被害者*ホシ:犯人
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。