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「あーもうこんな時間? 急がないと。大人数だから、手間取る。ひゃーみんなが起きちゃうよ。早くしないと。洗濯物も干さないといけないし……」 ふと、時計を見て、彼女がテンパり出した。「そんなに慌てなくてもいいよ。オレも手伝うから。つーか、待たせときゃあいいんだよ」「だって、食べてすぐ移動に訓練じゃ、お腹痛くなったり、車酔いする人も出て来るかも知れないもん」「あ、言ってなかったな。スケジュール変えたから、今日は、車移動はしねえんだ」「へ? そうなの? んー詳しい事は、後で聞くわ。とりあえず支度の続き……」 彼女と台所に立ち支度をしてると、明智さんと石神、他の連中が手伝いに来た。「あ、おはようございます。手伝いに来てくれたの? ありがとう」 にこやかに迎えられ、みんなも『おはよう』と挨拶を交わす。「小笠原も料理出来るんだな」「一柳さんや明智さん程ではないけど、一人暮らしだからね」「そうか──あ、黒澤! 何を入れようとしてんだよ」 ふと見ると黒澤が魚に砂糖をかけようとしてた。砂糖も塩も似たような壺みたいな入れ物だから間違えやすい。砂糖入れはちょっと色が違う。「え? あー! ま、まった! それお砂糖だよ? お塩はこっち」 彼女が止めて砂糖を受け取り、塩を渡す。「ええ、知ってますよ。砂糖ですよね」「え? 煮魚じゃないよ? それ、焼くんだけど……お魚にお砂糖掛けて焼くつもり?」「美味しいんですよ?」「ええ? 本当に? いつも焼き魚の下味にお砂糖かけてるの?」「はい」 その場に居たやつらが引きつる。『あは、あははは』彼女は顔を引きつらせながら乾いた笑いを漏らすと、砂糖入れをぎゅっと抱いた。「ちなみに、俺はいつも焼き物、炒め物には砂糖です」「へ、へぇーな、なんというかど、独創的ですねぇ。き、きっと黒澤さんは甘いのが好きなんだね。で、でもうちの室長は甘いのダメだなの。キレるといけないんで合宿中は普通ので我慢してくれる?」「ああ、穂積室長は甘いのお嫌いなんですか。それでは仕方ありませんね。分かりました」「す、すみませんけどお願いします」 その会話を聞きながら、この次から黒澤には後片付けを頼もうと思った。
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