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「す、昴。ちょっと何、言ってんの」「ふふふ。おあついこと」とカメ。「仲良しご夫婦ですねぇ」とツル。それから、二人で『新婚さんですものねえ』と言った。「あ、そうだ。あっちのみんなが、オレ達の仕事仲間だ」 ツルとカメがそちらに頭を下げるとみんなが来る。「この家の管理をしてるツルとカメだ。ちなみに双子」 紹介すると、自己紹介になり挨拶を交わした。「さぁさぁ、長旅でお疲れでしょう? ゆっくり休んでくださいね」「今、お茶をお持ちしますね」 ひと息つくと、石神も出来るらしいので、石神、彼女とオレ、明智さん、ツルとカメで夕飯の準備に掛かった。十六人プラスツルとカメの分で十八人分。それにみんな一人前じゃあ足らねーから余分に作る。広い台所で良かった。それにしても、一日三回、一週間これが続く。食事の支度だけでも一苦労だ。後片付け、布団の用意、洗濯や風呂、掃除、他にも家事はある。放って置いたら彼女は一人でせっせとやろうとするに違いない。彼女だって訓練も受けるし、オレのサポートもしてる。オーバーワークもいいとこだ。早急に対策を取らないといけない。とりあえず、野郎連中でも出来る事──食器の片づけ、風呂や、布団の用意等は割り振って手伝わせた。オレはスケジュールの見直しを、上のもんを集めて話し合う事にした。 ● ○ ● ○「さっき、チビ助、朝、洗濯やってからって言ってたろう? 朝の移動ゆっくりのがいいんじゃねえか?」「じゃあ、朝の涼しい内にさここで講義をやったら? そのあと、移動で向こうじゃなきゃ出来ない事をやるとか」「うん。小野瀬の意見、いいんじゃないか」 桂木さんが言う。スケジュールを見ながら考え込んでいた石神が口を開く。「射撃等はあちらでないと出来ませんが──こちらで出来る事をここでやる日と、あちらでやる日とに分けたらどうでしょうか?」「いっそのことそれもいいかもな。その方が、移動の時間と経費が節約出来る」 そんな調子で話し合いスケジュールを組み直した。ついでに、定例的に報告会を短時間でも毎日やる事にした。 話し合いを終え、部屋に戻る。彼女はいなかった。風呂はオレ達はもう入ったし、今は野郎連中が交代で入っているから違う。探して歩くと台所で一人で何かしてた。「なまえ? 何してんだ?」「ああ、会議終わったの?」「ん」「お疲れ」「で、何してんの? 奥さん」「うん? あのさ、今日やってみて、あの人数のご飯の支度をいっぺんにやるのは大変だなあって思ったの。だから、常備菜とか調味料とか作って置こうかなって。そうしたら、ちょっと手を加えれば何品かは出来る。楽でしょう?」「調味料?」「うん、塩トマトとか、ねぎ醤油とか、肉みそとか? さっき小笠原さんにノーパソで調べてもらったの。これ」 レシピがメモってあった。(本当によく気が付く)「あ、あのぉ、もしかしてそういう作り置きもも、嫌いだった?」 見ると不安そうに目をうろうろさせて焦ってた。「大丈夫。嫌いじゃねーよ。よく気が付いたな。えらいぞ。奥さん」 そう言って、頬にちゅっとすると、嬉しそうにふにゃっとした顔になった。「何? 嬉しいの?」「ん、嬉しい」「ふふ。じゃあ、オレも一緒にやる」 二人で並んで料理しながら、いつものようにお喋りを楽しんだ。
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