ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
信号待ちで彼女が景色を見て『いい所だなあ』と呟いた。運転席に近い位置に座る室長に、聞こえたらしく周りを見ながら言った。「ああ、私なんか見慣れてるけど、チビ助は都会っ子だものねぇ」「んー、僕も本当におチビの頃いたのは田舎だけどねぇ。まあ、小さかったし覚えてる事があんまりないけど。裏山とボロい小屋と舗装してない道、そんなのしか思い出せないや。っていうか、都会っ子って言ったら昴や明智さんのが都会っ子でしょう」 そこから、生まれた場所の話、それから子供の頃のエピソードなどになり盛り上がった。そうこうしている内に、繁華街に着いた。先に家電レンタル屋に寄り続いて、米や食材と酒と飲み物などを大量に買い込む。彼女は百均を見に行き戻って来た時には、プラスチックのかごを持ってた。「何? そのかご」「これはね、みんなに洗濯物入れてもらうの。ため込まれると臭くなるでしょ。だから、朝訓練所に行く前に洗濯して行こうと思って」「えー、お前が洗濯までしてやんの? オレの女房が何で他の野郎の洗濯すんだよ」「洗濯物位で、そんな大げさな……ヤキモチ妬かないの。だってさー合宿、何日もあんだよ? 汚くして虫が寄って来たら怖いじゃん。あ、薬屋で虫よけいっぱい買わないと。あと、蚊帳あるのかな?」「ああ、蚊帳は出しといてくれるように頼んだ」「そっか、ありがと。すぅ、薬屋一緒に行こ。あ、ねえ、花火買ってぇ?」「やりたい?」「うん!」「じゃあ、買ってやる」「いっぱい買って?」「ああ、いいよ」「うふ。ありがと」「あーいちゃいちゃしてるー。ずるーい」 後ろからそらの声が聞こえたが、聞こえないふりで、薬屋に向かった。 ● ○ ● ○「さあ、着いたよー」 マイクロバスからみんながぞろぞろ降りて、建物を見上げ口々に言う。「わ、立派な日本家屋……」「歴史ありそうだなあ」「わぁ、お庭も広いなあ。あ、物干しがあるな。そうだ、みんな、後でかごを配るから今夜、お風呂に入ったら洗濯物、出してね。洗濯するからね。夏場で臭くなるから、ため込まないように。分かりましたか?」『はーーい』と返事が返る。まるで、お母さんと子供達みたいだ。
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。