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「はあーあ、今年の夏は二回も強化合宿かあー」 如月がぶうたれる。如月の言う通り、今年の夏は他部署も集まる毎夏恒例の[鬼の合宿]が一回目。そして、新プロジェクトの強化合宿が二回目というワケだ。しかも、知識的な事と実技的な事まで行う一週間の長丁場だ。オレの留守中に彼女がいろんな方面に掛け合ってやっと押えた一週間だ。「如月さん。でも、必要なんですよ。うちらは、桂木班の皆さんのように警護の経験が豊富なワケじゃないし身に付けなきゃならない事も沢山あります。そういう努力がマルタイと、それを守る我々の身の安全にも繋がるんですよ」「なまえの言う通りだぞ。如月」 オレからも言うと室長がため息をつく。「はあー、全く。如月、先輩のアンタがチビ助に教えられてどうすんのよ。アンタがチビ助に教えてやる位じゃないとダメでしょう?」「へぇーい。すいやせん」 気の抜けた返事をする如月の頭を、室長が丸めた新聞でパコーンと叩く。「とにかく、如月もみんなも明日からの合宿。ちんたらやるんじゃないわよ。桂木班にも石神達の所にも遅れを取ったら許さないわよ。食らい付いて行く位の根性でやりなさいよ? 分かったわね?」「はい」「みんな。プロジェクトはまだ本格始動してねーが、ひとつ、よろしく頼む」 オレはリーダーとして頭を下げた。隣で彼女の一緒に頭を下げる。『おう、頑張ろうな』とみんなから声が掛かる。明日からの合宿は捜査室の連中、桂木班、石神、後藤、黒澤と大人数になる。全体を仕切るのは、オレ。サブがなまえになる。今まで他との連絡やデスクワークを中心にオレとなまえで動いていた。プロジェクトは、この合宿から他のメンバーも加え始動し始めるといっても過言ではない。 滞りなく無事に終わらせないとと、身の引き締まる思いだ。 ● ○ ● ○ 帰宅し夜、夕飯を済ませると彼女がお茶を持って来てくれた。「すぅ、緊張してる?」「ん? そう見えるか?」「ふふ。ちょっとね。すぅ、きっと大丈夫だよ。スケジュールもチェックしたしさ。僕も、きみの役に立つように一生懸命サポートするよ。一緒に頑張ろう」「ふっ、だな。なまえ、明日から頼むな。頼りにしてるぞ」「はい!」「おお、いい返事。なまえ」 彼女を引き寄せ膝に乗せ抱きしめる。「あー。お前、抱っこすると元気になる」「ん? そうなの?」「ああ。あと、やる気も出る。すげー効き目。明日から頑張れそう」「なら、良かった。んー僕も、きみにぎゅっとすると元気出るぅ」 彼女がオレの背中に手を回しぎゅっと抱きつく。「そっか、なら一緒だな」「ん、一緒だ」「さー、寝るか」「うん。もっと元気になるように、きみにくっついて寝てもいい?」「ああ。いいよ」 リビングの明かりを消し、にこにこする彼女と寝室へ向かった。
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