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「ほうか、ほんでも始まる前に嫌な思いさせたわ。賢兄ちゃんがちゃーんと謝っておくさかい、お嬢は心乱したらあかんよ? 危ないさかい。気を落ち着けてな? で、調子はどうなん?」「良いですよ。好調です。予選ギリギリでしたけど、一位通過で何とかポールポジション取りましたよ。たぶんね、本チャンも二位の人と競り合いかも知んないっす」 藤守と話しながら段々と口調が変わってちょっと興奮気味に話してる彼女。(ああ? 予選一位通過だと? ポールポジション? 何やってんだ、あいつ ──まさか、バイクレース? そんなの、聞いてねーぞ)「え? 予選って? 予選なんてやったんかい? そやかて自分、模擬のレースや言うっとたやん」「ん、模擬レースですよ。Web宣伝用の動画とか何とか。僕はバイク仲間のピンチヒッターなんですよ。急だったんで詳しく聞く間も無くてよくは分かんないんですけど。来てみたら模擬にしては、何から何まで本物みたいに凝ってるんで驚きました。客席もいっぱいですし、カメラマンさんだけじゃなく、監督さん? みたいな人までいて『リアリティが大事。予選も本当のだと思ってマジ走りでよろしく。臨場感があふれた迫力のある映像にしたいからね』って。一緒に走る奴らもすごいんっすよ。あんま話してる時間もないから推測ですけど、プロもいるのかも知んないっす」「えーそないな連中とやってポールポジション? すごいやん!」「いやー、マジでギリギリだったっす。でもなんか燃えますよ。もーこう、場の雰囲気に血が湧き立つ、ってかね。サイコ―っすよ!」「ほんま? そんな感じなん?」 「ほんま、ほんま。テンションめっちゃ上がりますよ。だってほら、警官になっちゃうとあんま、マジ走りなんてする機会もないっしょ。でも、やっぱたまには気にせんでガンガン行きたいじゃないっすか?」 「あー分かるわ。風を感じて走るちゅうかねー。あーええなあ。俺も走りたいわ。ほんま、羨ましいわ」「久しぶりのサーキットですけど、やっぱ良いっすよ。藤守さんも、休みなら誘ったんすけどね。あ、そうだ。さっきの予選の映像もうWebにアップされてるって言ってましたよ。あとこれから始まる本チャン、さっきの予選で一位から三位までのやつのバイクにカメラ着けて車載放送するらしいんですよ。僕の運転もリアルタイムで流れるそうなんで、疑似体験出来るかもです」「へー見てみるわ」 そう言った後で藤守は小笠原にメモを渡しながら『あ、小笠原君、悪いんやけどこのサイトアクセスして』と頼んだ。小笠原は『はいよ』と答えPCをいじる。「優勝報告でも出来っと良んすけどねぇ。ま、頑張ってみますわ。あーもう時間だ。行かねーと」「おお、そうか。頑張るんはええけど、気ぃつけるんやで?」「了解です。つーか、終わったら差し入れでも持って顔出しますわ。じゃ!」「あっ! なまえ!」
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