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● ○ ● ○ 出勤したオレに室長が驚く。「あらー? どうしたのよ? 今日位、休んで良かったのよ? チビ助は?」 それには答えず言った。「おはようございます。行く前にやる事は山積みなんで。そうも言っていられませんよ。朝から申し訳ないんですが、少し打ち合わせをしたいので、時間をもらえませんか?」 この間の連中にも声を掛けてみると今日は運よくみんな空いていた。ミーティングをして今後の流れなどを打ち合わせる。 ミーティングを終えみんなにお茶を入れた。「今日、おチビちゃんは休み? 一人で何してんのかな?」「そう言えば、居場所報告がねーな。家にいるのか? ……出ねー。あいつ、報告も無しにどこ行ってんだっ!」 自宅に居ないのが分かると何だかまた、イライラして来た。携帯に何度もコールする。「チッ! 出やしねー。本当にどこ行ってんだ」 ガシャンと乱暴に受話器を置く。桂木さんが驚いたように言う。「昴、どうかしたのか?」「そうよ。アンタ、朝からちょっと変よ?」「おチビちゃんの事や、いない間の事が心配で、疲れがたまってるんじゃないの?」「まあ、気持ちは分からなくもない。一柳。いない間の彼女の仕事のサポートはみんなでちゃんとやる。それについては、安心してくれ」「ああ、石神、それからみなさんもよろしくお願いします」 オレは頭を下げた。自分で出来ねー以上は頼んで行くしかねー。有り難いがはがゆくもある。 もう一度デスクの電話でコールしてみた。幾度か鳴らした後で彼女が出た。「真山巡査部長、今どこにいるんだ! 居場所の連絡位、聞かれる前にきちんと入れろ! 基本だろうが。お前は、巡査部長のくせにそんな基本も身についてないのか」 声を聞いた途端に叱ってしまった。小野瀬さんが珈琲を飲みながら立ち上がりハンズフリーのボタンを押した。「え? あ、す、すみません。ええーと、一柳警部補と穂積室長にご連絡入れたのですが、デスクも、支給の携帯の方も、スマホもお出にならなかったもので、お忙しいのかと──」「出なければ、それで済ますのか?」「あ、本当だ。チビ助から何度も着歴があるわ。ミーティングだったからマナーモードで気が付かなかったのね。チビ助ーごめんー。お父さんのミスだわー」 室長のでかい声に彼女答える。「あ、いえ」 そのやり取りの間に片手でスマホを見ると、確かに着歴もあり、メールも来てた。明らかにオレのミスだ。咳払いをして言う。「すまん。オレも気付かなかった」「いえ、良いんですよ。お忙しいのは想像がつきますから。お疲れ様です」「ああ。だが、お前ももっと臨機応変に対処しろ。誰かに伝言を頼むとか方法はあるだろう──」「ああー! それは俺のせいや。さっき伝言を頼まれとったのを、うっかり言い忘れたわ。ああーすまん。昴、俺聞いとるわ」 藤守が来て『ちょっとええ?』と受話器をオレから取った。「チビ、すまん。うっかり言い忘れとったわ。お兄ちゃんのせいで怒られてもうて、えろう悪い事したなあ」「いえ、大丈夫です」
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