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「ウソ? 真っ赤? マジでぇ? えーお父さんのばか! もーどうすんだよぉー。さっき一柳のお義父さんに『いやーなまえちゃん。婦警の制服、よく似合ってるじゃないか』って褒められて『後で一緒に写真を撮ろう』って約束したんだぞー。鼻の赤い写真なんて恥ずかしい。せっかく、初婦警の制服なのに」 父さんの物真似付きで言うのに、また石神が驚く。「上手いですね。そっくりでした」「ん、ありがと。だいたい誰の真似でも出来るんだ。僕の特技なの」 パントマイムで眼鏡を上げる石神の真似をしながら『貴女というひとは。全く、驚かされます』と言った。 石神は、多分言おうとしてた台詞を先に言われたのと、自分の真似だったのにまたまた驚き、目をパチパチとした。桂木さんが笑い言う。「本当に似てますよ。なまえさん。石神、驚いたか? 前に俺の真似をしてくれた時も似ていて、俺も驚いたよ」「か、桂木さんの真似も?」「ああ。物真似が得意と聞いてお願いしてやってもらったんだ」 それを聞いて石神が笑い出した。「ふふふ。貴女というひとは。本当に驚かされます」 それはさっき彼女が言った言葉。石神のが真似みたいで、みんなで笑った。「ってか、チビ助。初ってお前、今まで男の制服か?」「うん。そうだよ。交番の時もそうだったし。でもさ、人事から今日はこれを着て出席するようにってお達しがあったの」「本当にチビ助は飛んでもねえな。そんなお達し受けんのはお前位だな」「いーじゃん、いーじゃん。個性って事で!」「このはみ出しヤンキーめ」「チーッス!」「なまえ、そろそろヤンキー終わりな」「了解です!」「何だお前、昴だと滅茶苦茶素直」「おとーさーん、当たり前でしょ? 愛するダーリンだもーん」「チッ、やってられん」 室長が首を振ると、丁度エレベーターは十七階に着き、最初に少しあった不安もここまで来る間に消えていた。それどころか、みんなの口元には何となく笑みまである。(──何があっても、きっと、オレ達は大丈夫だ。みんなで乗り切れる) そう思いながらエレベーターを降り後ろのみんなを振り返る。「さあ、行きますか」「ああ、行こう」 そう笑顔で返してくれるみんなと歩き出した。
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