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● ○ ● ○「なまえ、お家着いたぞ」 帰宅し、起こすと風呂に入ると言うのでいつものように一緒に入った。風呂上がりに、二日酔い防止にグレープフルーツジュースを二人で飲む。ソファーでちびちび飲みながら何となく元気のない彼女。「不安、か?」「ん。ちょっとね。ダメだな、僕は。考えれば考える程、心配になって来る。腹が据わらねーってか、意気地がねーってか。結菜姉はえらいな」「あ? 何?」「海司兄ちゃん、SPだろ。結菜姉だって心配してんだろうけど。僕みたくおたおたと、うろたえないじゃん」(久々に出たな。結菜コンプレックス。本当に今夜は弱気になってんな。さて、どうっすか)「それは仕方ないだろ。なまえと結菜じゃ見てる立ち位置が違うんだ。結菜はマルタイとして守られる側からSPを見てる。だけど、なまえは守る側から見てる。見えるものも違って来る。お前は守る事の大変さや難しさや、危険さ。それから、銃やナイフで傷を負う痛みまでみーんな知ってる。そしたら余計に不安になってもしょうがないよ。そんな顔するなよ。お前はダメじゃない」「んーー」「他にもあるだろ。思ってる事言ってごらん。かまわねーから」「さっきも言ったけど、ロブたん達を守りたいって本当に思ってるけど。僕の中で答えが出ない事や矛盾がいっぱいなんだ。どうして良いのか分からないんだ。迷いながらだといざという時危ない」「答えが出ない事や矛盾か。たとえば?」「たとえば、室長が世田谷のヤマの時、僕に言ったろ? 危ないとみんなが心配するって。で、前回の王子達の警護の時、僕なりに気を付けた。でも、やっぱりダメだったろ。昴、怒ったもんな。また、警護の任務が来ても……僕にはどう守ったら良いか、分かんないんだ。まだ、答えが見付からない。守りたいけど、みんなに心配も迷惑も掛けたくない。足も引っ張りたくない。ちゃんとやりたい。でも自信も無いのに、迷いながら出来るような甘い任務じゃない。うーーー」「お前は真面目だよな。あ、いい意味な。んーあの時お前、室長に聞いたろ? 『自分が危ないから諦めるのか?』って」「ん」「でも、結局それには室長、答えてくれなかったよな。お前も言ってたけど、多分あの人も助けに行くと思うよ。そしてオレも、助けに行くよ。ま、時間は無くとも方法は考えるとは思うけどな。お前が迷ってるそれな。この仕事してるやつは、たいてい思ってると思うぞ。お前にこれが正解って言える明確な答えがありゃあ良いが、オレにも分からん。オレも同じだ。オレは迷った時は[最善の準備と訓練、出来うる限りの努力で備えて挑むしかねー]思ってる。「最善の準備と訓練……そっか。それなら僕にも出来る。よし! 僕、頑張るよ。訓練も、サブリーダーとしてもちゃんときみをサポート出来るように頑張る。至らないとことか、あったら遠慮なく言って。色々教えて下さい! お願いします」「ああ。よろしく頼む。頼りにしてるぞ、相棒。一緒に頑張ろうな」 それが彼女の誕生日のすぐ後の事。そして、性急だが四月一日付でオレの率いる[緊急特命捜査室特別対策係]が新設された。
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