ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「な、なんか──す、すみません。でもぉ。そんな事になったら警備部が気を悪くしませんか? 警備部の方から見たら、きっと僕は素人同然ですよね?」「ん、君に嘘をついてもと思うから正直に話そう。やはり多少は反発の声もあがったよ。でも、先日の君達の式の際、君が昴を守ったあの一件。あれを見て王子達が『非常に勇敢かつ、真摯であったと感動してしまってね。『君達は何としてもつけて欲しい』と総理に重ねて要望があったんだ。そこまで言われては無下にも出来ない」 彼女がその話に戸惑った顔をする。父さんの話には続きがあり、渋る警備部の上の連中に桂木さんや、松永さんが『彼女なら問題ないでしょう。うちに欲しいくらい優秀ですよ』と推薦をしたらしい。桂木さんと、松永さんといえば警備部のツートップだ。上は、その二人が太鼓判を押す彼女に興味を持ったようで『とりあえずお手並み拝見、というのも一興かも知れません。それにうちに居た一柳くんと、うちからもあの桂木くんの班が出るなら心配ないでしょう』と言い出したらしい。「いきなりで、戸惑いもあるだろうし危険がないとも言えない。なまえちゃん、どうだろう? ひとつ、ゆっくり考えてみてもらえないかい?」 そう、父さんは言い食事会はお開きになった。 ● ○ ● ○ 引きつり顔の彼女。そんな彼女に室長が『飲み足りないわねえ。付き合いなさい』と言うのでオレ達は飲みに来た。「なまえ、あのな。どーしても無理と思うなら、断ってかまわねーよ。その時は、オレも一緒に断る」 飲み始め、未だに引きつったまま俯く彼女にオレはそう切り出した。『え?』と驚いて彼女がオレを見る。「何言ってんだよ。そんなん……ダメに決まってんじゃん」「ダメじゃねーよ」「気休め言うなよ! 断れるわけがない! 地方公務員法三十二条で定められてるじゃんか! 職員は、その職務を遂行するに当って、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。ああ、昴の場合は国家公務員だから、国家公務員法九十八条か。ま、どっちにせよ、確か[職務上の命令に忠実に従え]って同じような内容だったろ? 法を破るってか? そんな事したら、昴、何もかも失くすよ。キャリアもパーだし、警視総監になる夢も断たれる。そんなのダメだ」「ま、そうかも知んねーけど、何もかもは失くさねーよ。少なくとも、お前の事は失くさないだろ? それとも警察官じゃないオレは嫌か?」 そう聞くと、彼女は怒りながら即答した。
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。