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珍しく、父さんから食事に誘われた。彼女と室長も一緒に、という事だった。「私も一緒、って事は仕事絡みかしら」 室長の言葉に彼女が緊張気味になる。「大丈夫だよ。知らねーヤツに会いに行くワケじゃねーんだから」「そうよ。大丈夫。こんな高級なお店なら、きっと旨いもんが食えるわよ? チビ助。せっかくだし、いっぱい食べなさい。さあさ、中に行きましょう」 頷く彼女と、オレ達は中に入った。 ● ○ ● ○「やあ、いらっしゃい。呼び出してすまないね。ああ、穂積さん。いつも息子と娘がお世話になって──」 父さんはもう来てた。そんな感じであいさつを交わし、とりあえず食事を始めた。最初ちょっと緊張気味だった彼女も料理を口にすると顔がほころんだ。「うわぁ。美味しい」「なまえちゃん、気にいったかい? ははは。君はいつも本当に美味しそうな顔をするね」「とっても美味しいです。お義父さん、こんなに美味しいお食事に誘っていただいてありがとうございます」 みんな笑顔で会話と食事を楽しみ、ひと息ついたところで父さんが切り出した。室長の予想通り仕事絡みの話だった。 王子達の国が我が国と友好を結ぶ事になり、交流目的でこれから双方行き来する機会を設けつつイベントや何やらが行われる事になるらしい。(ああ、そういえば日本に来る機会が増えると言っていたな) そう思って聞いていると父さんは厄介な事を言い出した。彼女は目を丸くし驚きの声をあげた。「ええーっ! 僕が、ですか? え? え?」「そうなんだ。なまえちゃん」「で、でも僕はSPとして訓練もしてないし、経験も浅いですよ? それに、僕みたいなのよりも優秀な警備部の方達がいらっしゃいますよ?」「そうだね。なまえちゃんの言う通り警備部に優秀な面々が揃っている事は、私も認識しているよ。それと君と昴の優秀な功績も耳に届いている。各国の王子達が、プリンセスと家宝を守った時の働きを高く評価していてね。先方から総理や外務省に『この前のメンバーにお願いしたい。命を守ってもらうのだから、信頼を置ける方達にお願いしたい。その意味でも、特に君達二人はつけて欲しい』との名指しのご要望が来てね。だけど、夫婦で同じ職場というのは異例な事だからね。君も知っているだろう? 同じ所に長くなると馴れ合いが出たり、 利害関係から不祥事につながる。同じようにそういう観点から見ても、親子や夫婦で同じ職場にはしない。それが決まりだ。今回の事も、多少揉めてね。だが、友好に水をさす事になったらどうすると外務省から再三の要請で、それをどうするかという問題もあってね。なまえちゃんの異動先も内定してたんだが結論が出ないまま、一旦白紙に戻されたんだ」
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