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「そうか。ところでお礼は何がええ? 彼女は何が好きなんや?」 愚弟に探りを入れる。「生クリームなんかの甘いもんとか、アイスも好きやな。プリンにオムライス、ササミの梅しそ巻きぃに、んーあとは、なんやろ。海老や鶏肉、豆腐もか。さっぱりしたもんとか、お酒も大好きやな。あ、そうや、たこ焼きも好きやで。たまに買うてやるとにこにこして、喜ぶわ」「ほう。たこ焼きが好きか」「ああ、めっちゃ美味しそうな顔で、そら幸せそうに食べるで」(それは、なかなか良い。たこ焼きとお好みは大阪人のソウルフードやからな)「他には無いんか? 食いもん以外は?」「食いもん以外かぁ。くまさんや可愛らしもんと……恋愛映画、海外ドラマにアニメや漫画、声優さん、カラオケ、バイクなんか好きやね」「バイク? バイクに乗るんか?」「ああ。運転、めっちゃ巧いよ」「ふーん、見掛けによらんな。あと声優か、アニメに漫画、そういうもんも好きなんか?」「ああ、好きらしいで。たまに話題にも出るさかい。間違いないわ」「ガンダムは?」「それはどうやろ? 分からへん」「ほんなら苦手なもんはなんや?」「苦手、んー辛いもんは食えへん。あとはぁ、苦いもんもあかん。それに食いもんでは無いけど、虫と高圧的なのはあかんな。特に虫はぜーたいダメやで。トラウマがあるんや。あ、兄貴、いつもみたいに高飛車にガアガア怒鳴ったらあかんで。あの子、それも苦手やで。エンジェルちゃんの事やから、もしかしたら気ぃ付こうて我慢するかも知れへんけど、ほんまは怖い筈や。怖いと言うたら幽霊もダメやね」「誰が高飛車や。ボケ。俺ほど紳士なヤツはおらんわ。ところで、トラウマってなんや?」「んーその話をすると長ごうなるよ?」「ええから話せ」 愚弟から、あのひとの生い立ちを聞いた。(苦労したみたいやが。やはり、俺の目に狂いはなかった。あのひとは素敵なひとやった。なまえさん……。安心して下さい。もし虫が出ても、この藤守慶史が、きっとまた貴女を守って差し上げます! 飛ぶ虫は私も得意ではありませんが、それでも貴女の為ならば、負けません。あ、あかん、クリーニング屋が閉まる。ハンカチを出さねば)「愚弟、お兄ちゃんは急用を思い出した。帰る。じゃ」 後ろで愚弟が何かごちゃごちゃと言ったが、今は時間がない。 俺は急ぎクリーニング屋に向かった。染み抜きを頼み、その日はうちに帰った。 ネットで愚弟から聞いたあのひとの好きそうなものの情報を調べ、明日以降に出来上がるハンカチと差し入れを持って、捜査室に行く事にした。
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