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「そうだ。私もあなたにプレゼントがあるのよ。はい」 彼女がオレからは見えない位置の、奥の席にあった薔薇を差し出した。「あっ」 同じ事を考えたのかと驚いた。「ん? 薔薇、嫌いだった?」「いや、実は……オレも」 隠していた薔薇を出すと、今度は彼女が驚いた。「すっごい。こんな事あるの?」 色も本数も同じ。一本の赤い薔薇。「同じ事考えた? なら、花言葉も知ってたりするのか?」「うん。あなたに贈るのにぴったりと思って。あなただ──」「あ、ストップ。その先はオレに言わせろ。なまえ、誕生日おめでとう。生まれて来てくれて、ありがとう。お前に出会えて幸せだ。オレにはお前だけしかいないよ。今でも愛している。さっきのカクテルと同じ意味になっちまうけど、これがオレの気持ち」 瞳を見つめて言うと、彼女が目元をゆるめ笑った。「ふふ。あーどうしよう。本当に、嬉しくて胸がいっぱい。こんなに夜景の綺麗なBARで、こんなにイイ男にそんな事言われたら、幸せ過ぎるわ」「なまえも、オレだけ?」「そう。昴、あなただけよ」「フフ、本当だ。嬉しいな。じゃあさ、二本で何か知ってる?」 二本の薔薇を持ち聞いてみる。「知ってる。二本ならこの世には私とあなただけ。あなた以外は見えないわって意味」「正解。ハニー、そろそろ二人きりになりたいんだけど?」「うん、私も」「ちょっと待ってて」 ある事を確かめてから彼女を連れて部屋へ。 ● ○ ● ○ 夜景が売りのひとつだけあって、部屋からの眺めは最高だった。彼女が『うわぁ、素敵な部屋。夜景も綺麗』と感嘆の声をもらした。「お腹空いたろ?」「うん。ちょっとね」 奥の部屋にエスコートするとまた彼女が感嘆の声と吐息を漏らす。「スゴい! ディナーだ。美味しそう」 実は事前にルームサービスでディナーを頼んで置いた。さっき準備はOKか確認したってワケ。彼女のこの驚く顔、見たかったんだ。「さ、姫。どうぞ」 頼んだシャンパンで乾杯してゆっくりと料理と会話を楽しんだ。「さっきの夕景色も綺麗だったけど、夜景も本当に綺麗。昴と一緒に見ると余計に素敵ね。最高。なんか色々夢みたい」 そう言って、すごく幸せそうに彼女は笑った。
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