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● ○ ● ○ BARに行くと彼女は窓際の席で、夕景を眺めながらオレンジ色のカクテルを口にしていた。バーテンにマティーニを注文し、頃合いを見て彼女に[XYZ]を出してくれるように頼んだ。マティーニを持ち彼女の席に行く。「綺麗なお嬢さん、おひとりですか? ご一緒しても?」 微笑みそう声を掛けると、彼女も笑顔になる。「ええ、どうぞ」 腰かけると、彼女がスッとオレの耳元に唇を寄せ『会いたかったわ』と色っぽく囁いた。「フッ。オレが口説く筈が、今の一言でオレの方がもうお前に落とされたよ。オレも会いたかった。ハニー、綺麗だ」「んふ。ちゃんとあなたに似合う女に見える? そう。良かったわ」(オレに似合う女、か。喋り方まで変えちゃって。本当、可愛いやつ)「何、飲んでるんだ?」「ん? ピーター・パン」 [ピーター・パン]は彼女の好きなジンベースカクテルだ。オレンジの爽やかなテイストの中にほのかにピーチの香りが漂う。「旨かった?」「うん。ネバーランドに行けるかもね。ふふ」「ネバーランド、か。でも、ハニーは子供の国じゃなくて、オレと大人の国に行かないとな」「んーそうね。ピーター・パンもなくなった事だし。──あなたがエスコートしてくれるのなら、ね」「オレで良ければ喜んで」「あら。良ければ、じゃないわ。あなたじゃなきゃ、いやよ。知ってるくせに」 バーテンが先程のカクテルを、彼女に持って来て下がった。「どうぞ」「ありがとう。……美味しい」「気に入った? ラムとコアントローとレモンジュース[XYZ]っていうカクテルだ」「あ、映画の野獣死すべしの? へえ、こういうのなのね。美味しいね」「ま、あの映画のなんだけどな……オレがこれにしたのは、別の意味」「ん? 意味?」「カクテル言葉って知ってる?」「カクテル言葉? ううん、知らない」「花言葉みたいにあるんだ」「そうなの? どういう意味?」「XYZは、永遠に貴方のもの、後はないよって意味だ」「あなたは、永遠に私のもの?」「ああ」「ふふ。こんなに素敵なひとが永遠に私のものなんて、とっても嬉しいわ。女冥利に尽きるわね」「オレこそ、こんな色っぽくてイイ女となんて、男冥利に尽きるよ」
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