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● ○ ● ○ 後でBARで会う事にして彼女と別れてから花屋を見掛け、彼女に花を贈る事にした。 彼女ならきっとどんな花でも似合うだろうが、赤いルージュがセクシーな今夜の彼女には、赤い薔薇が似合いそうな気がした。 薔薇は本数や色で花言葉が変わる。ちょっと考えてから花を買い、彼女が喜ぶ顔を思い浮かべると、彼女に早く会いたくなった。 足を早めエレベーターを目指していると、彼女の声がした。前方を見ると彼女が見知らぬスーツの男に頭を下げていた。 頭を上げ男を少しの間見送ると、彼女はエレベーターの方に歩いて行った。 スーツの男は少し歩いてから振り返り、彼女の後ろ姿をボーっと眺めた。(何だ? さっき彼女が礼を言ってたようだったが) 状況が分からないので暫し様子を見てると、男が小さな声でなにやら呟いた。その声は小さかったが、かろうじて聞き取れた。「素敵なひとだったな。あ、しまった。ハンカチを持って来てしまった。でも、もうエレベーターに乗ってしまったか。失敗した。名前も聞いてないぞ。ハンカチも俺の血がついてしまったな。クリーニングで落ちるだろうか? しかし、どうやって返す? あの時、名を名乗れば聞けたんじゃないか? 名乗れば良かった。そうだ。愚弟に調べさせれば良いではないか。あいつもプロだ。人探し位出来るだろう」 そう言うとどこかに電話を掛け愚弟と呼ぶ奴に、人探しをしろと命令した。通話を切った後、またエレベーターの方を振り返り『それにしても、美しい足をしたひとだった』ともう一度呟くように言った。(こいつ、ちょっと気持ち悪りーな。危ねえ奴か? 注意しとくか?) 考えてると電話が鳴りスーツ男が出た。「何だ。愚弟。ん? もっと特徴を教えろ? 何でも良いが、お前どこにいる? うるさいな。また合コンか。何? 穂積と? ああ、捜査室の連中か」(ああ? 穂積だ? 捜査室……室長の事か? 愚弟って誰だ? そういえばこいつ誰かに似てる……藤守、か?)「特徴か、さっき言ったろう。ショートカット、二十代前半、足が綺麗で――あ? それだけじゃ分からない? 愚弟、お前プロだろう。他の特徴か? 目がくりっとして可愛らしい顔立ちだったな。あ、そういえば桃の香りがした。とにかく、後で彼女の事を報告しろ。ああ? 今は外出先だ。そういう話をしてる時間はない。ああ、近い内に。では、後でな」 通話を無理矢理? 切るとスーツ男は外へ消えて行った。(はぁ……なまえは一人にすると、野郎どもが寄って来て危ねーな。あ、今頃ナンパされてたりして! とにかく早く行かねえと) オレはBARへと急いだ。
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