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ノックがして、一階の子が客を連れて来た。源次郎だけかと思ったら、モモちゃんにミイコ、きよ、国枝まで一緒だった。 ミイコが『姐さーん』と言いながら彼女に飛び付いて来た。「誕生日おめでとうございます! あれ? 姐さん、どうして泣いてるんです? 何かあった?」 ミイコが彼女の顔を見て気付き心配そうに言うと『えっ?』ときよが、すっ飛んで来た。「どうしたんです? 何かあったんですか?」 すごい慌てようで、きよが聞く。国枝も来て心配そうにする。彼女はどう言ったもんかと、少し困りながら『大丈夫』ととりあえず答えた。きよが『あっ!』と何か思い付き、物凄い顔でオレ達を振り返る。「まさか、いじめじゃないでしょうね?」 国枝がそれを聞いて『いやー、きよ。それはないんじゃないか? 穂積さん達だぞ?』と言うと『そうですよねぇ。ありえないッスよね』と首を捻る。と、ミイコが『ああー!』と声を挙げてオレを見た。「兄貴が浮気した、とか? それなら、姐さん泣いちゃうかも!」『あっ!』と皆が叫び今度は国枝も加わり三人が怖い顔でギッと睨み迫る。「アニさん。そりゃ、本当ですか? 答えによっちゃ許しませんよ?」 普段、冷静な国枝までもがすごむ。「なんですってぇ? 昴ちゃん! それ、本当なの?」 源次郎まで怒ってじりじりと迫る。「違う! 誓って違う! オレは無実だ」「そう。昴は浮気なんてしてないからっ! ちょっと異動の話をしてただけなんだ!」「え? 異動? そっか、姐さんこっから動かねえとなんねーんだ」 ミイコが言うと、他の二人も『そっか』と言いながら自分の事のようにシュンとした。 それを見てまたうるっとしながら『お前たち……』と呟き、みんなを抱くようにして『ありがとう。僕、大丈夫だよ』と言うと、彼女達が泣かず源次郎が後ろでずびーっと泣きながら鼻をすすった。 その音があまりに大きくコメディーのように滑稽だった。たまらずみんなが吹き出しておかげで、湿っぽい空気が吹き飛んだ。 ● ○ ● ○ 「えーー! これ? マジ?」「誕生日プレゼントッスよ」「う、うん。ありがと。でも、これ過激じゃねえ? エロ過ぎじゃん?」「何、言ってんすか。特別な夜なんすよ。このくらい気合い入れて兄貴を悩殺しねえと」「で、でもぉ。は、恥ずかしいよぉ」「姐さん、そこを気合い入れてこそ、めくるめく濃密な夜が過ごせるってもんですよ」「め、めくるめく濃密な夜ぅ?」「そうッス。兄貴とラブラブに過ごしたくないんすか? どうせなら甘くてラブラブのが良いっしょ?」「はあ……」
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