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今朝の彼女は早起きだった。オレが起きた時には朝の仕度がほとんど出来ていた。「なまえ、おはよう。今朝は早起きだな」「ん、何か気持ち悪い夢で目が覚めたの」「どんな?」「んー起きた途端に忘れた。ねぇ今朝、ご飯にしたけどパンのが良かった?」 聞きながらキッチンから顔を出す。「いや、ごはんで良いよ」「そう。なら良かった。今持ってくから座っててね」 笑顔で言ってキッチンに戻り温かいご飯と味噌汁をよそい、運んで来てくれた。「はい、どうぞ」 受け取り、礼を言う。 魚、卵焼き、ひじき、昨晩の里芋のそぼろ煮、漬物、鰹節が掛かったほうれん草のおひたし。それに、ワカメと豆腐の味噌汁とご飯。「旨そうだな。ありがとう」「いえいえ、起きられた時だけでごめん、ね」 ちょっと困った顔をして申し訳なさそうに首を竦めた。「いいよ。気楽にやれ。オレはお前の家族だろ。そんなに気、使うなよ。それに、お料理男子としては、少しはやらせてもらわねーとな。ふふ。さ、食べよう」 オレの言葉に嬉しそうな顔になった彼女と『いただきます』をして食べ始める。「おっ、煮物。一晩経ったら味染みて旨くなってるな」「ん、残り物もなかなかイケる。久しぶりにTVつける?」 彼女がTVをつける。最近ではなんだかうるさく感じ疲れると、ニュースはネットや新聞でチェックする事にして、朝は専ら音楽にしてた。予定のない休日にCSで撮りためた海外ドラマやアニメなんかを見る位で我が家はTV離れ気味だった。「へぇ。たまにはTVも見てみるもんだねぇ」「ん?」「ペアルックが流行ってるんだって」「ああ、そう言えば見掛けるよな。何? ペアルックしたいのか?」「んーでもぉきみみたいな格好良い人と僕じゃ。釣り合いが取れないよなぁ」「はあ? 何、言ってんだよ。ペアならなまえとオレでやんないでどーすんだよ。他人としたらヘンだろが。それとも、別の男としてーのか?」「ちょっと? 勝手に想像してヤキモチ妬かないよーに。だいたい他に誰とやんのさ」「室長とか」「あはは。そこで何で室長が出て来んの? パパと娘でお揃? なら、お義父さんともしないとなあ」「オレより、父さんとペア着たいってか」「何すねてんのー? ふふ。もー可愛いんだから。そりゃ着るなら、もちろん昴とでしょ。ただその素敵さと少しでもつり合うには、どうしたら良いのかなって話だよ。きみって、イケメン過ぎる旦那さまだもん」 そう言いながら、上目遣いでオレを見る。(ったく、朝から可愛い顔して煽るのは反則だろ。……今日、休みなら良かったのに)「ん? 照れてる? うふふ。きみってほんと、可愛い。朝からキュンキュンしちゃう」「お前、からかうと襲うよ?」「からかってなーい。本気ー」「だいたいなーなまえは、自分を知らな過ぎだ。オレよか、お前のがスゲーぞ。格好良いのから可愛いのまで何でもイケるだろ」「昴、それはねぇー。きっと好き好きフィルターかかってるよ」「んな事ねーって。それに、前だって*ペアルックしたじゃねーか」「ああ。タータンチェック、お揃いにしたよね。ふふ……」「ん?」「思い出してた。結構、嬉し楽しで良かったなーって」「じゃあさ、休日にペアコーデでデートするか」「嬉しいけど。本当に何、着たら良いかな? っていうか、どこにいつ行くかでも変わって来るよね? 夜と昼でも、また違うし。どんなデートにする?」* とけない魔法。のエピソード
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