「なあ? こいつ連れてかなくて正解だろう? チビ助連れて行ってたら、ヘビ女の弟をガルガル言いながら頭からかじってたかもなあ」
室長が石神にニヤリとして言うと石神が面食らう。
「ははは。何、それ。それじゃ僕、夜叉じゃなくてライオンじゃん。ま、昴を狙うなんて、ふてぇアホ野郎は、許せねーもんな。その位はやってたかも知れないけどねぇ。……お巡りだろうが、何だろうが、頭に来るもんは来るんだよ。僕の一番大事なもんを、狙うなんてさ。命要りませんって言うのと同じだかんな。ふ、ふふ……」
途中から低い恐ろし気な声になりニィーとしながらダークに笑った。
前に国枝が言ってたのを思い出した。
「滅多に無い事ですが、あの方を本気で怒らせちゃ、いけません。歯止めが利かなくなりますから……」
その言葉からも、*あのメットを壊した一件から考えても、
なまえは本気でキレたら何するか分からねー所があるのが分かる。
(そういう時は何としても止めねーとな)
そう、そのダークな笑いを見て思った。きっと室長達も同じ様に思ったに違いない。そんなツラしてた。
彼女はそんなのとは関係無しに、お腹を擦り呑気な声を出した。
「つーかさ、寝て起きたら何かお腹減ったなー」
「あっそうだ。一柳さんが広い所、押さえてくれてな。みんな帰らねえで待ってるぞ。食い物もそこ行きゃあ、あるぞ」
「え? お父さん、それマジ? おー♪ 一柳のお義父さんも、さすがだなー。よーし! じゃあ行こうよ!」
張り切る彼女と宴会場のような所で待つみんなの元へ行く事にした。
*本編
19。+αの
17ページのエピソード。
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