「あーーまた始まったぁ。もう、いい加減にしてよぉ。やだ! つーかさ、下着姿見ただけでしょ! それに僕が見せた訳じゃないよ? あれは任務中の不可抗力でしょ。エッチな言い方してさー。もー!」
彼女が文句を言いながら、如月達を睨む。睨まれた如月や藤守が『あははは』と笑って誤魔化そうとした。
「如月、想像しなくて良いんだよ。つーか、忘れろっつたろ? なまえはオレのもんなんだよ。良いか? お前等も、いやらしい想像すると全員髪、むしるぞ?」
「いやーん。怖ーいー。昴ちゃんが怒ったわー」
源次郎が口元に両手を持って行きしなを作る。かなり不気味だ。
「源次郎、お前の方が怖えーぞ」
「ま、昴ちゃんってば。レディに向かって失礼ね! でもベイビーちゃんは昴ちゃんの大事なプリティウーマンですものねぇ。ウフフ。怒るのも無理も無いわぁ。Pretty woman~♪ walking down the street~♪ Pretty woman~♪ the kind I like to meet~♪ Pretty woman~♪ I don't believe you, you're not the truth……」
源次郎が歌い出す。
ジョシュア王子がそれを見て、周りの王子に聞く。
「プリティウーマン? 何だ、それは」
「ああ、映画のか?」
「あら~♪ キース王子様は、知ってらして? そうよ。映画のお話」
源次郎がちゃっかり会話に加わる。
『映画か』とジョシュア王子とロベルト王子が漏らすとウィル王子が源次郎に聞いた。
「でも、あのヒロインは高級コールガールではなかった?」
「え? キーちゃんもウィルりんも知ってるの? っていうか、それって高級コールガールの話なの? えー何、何? なまえちゃんが昴たんのコールガールって事?」
「えー? リーダーがコールガール?!」上げる
黙って聞いていたふみが眉を寄せ驚きの声を。大事ななまえをバカにされたと感じたようだった。同じように感じたのか直ぐ様、きよやたけ達、仲間から『それは、聞き捨てならねえなぁ』とちょっと色めきだった不満の声が上がった。いつものように彼女が止めに入る前に、黒澤がその雰囲気をぶち壊すようにのんびりした口調で口を開いた。
「いやー、それはどうでしょうか。どう見てもなまえちゃんはそう言うタイプでは無いでしょー。ねぇ?」
隣にいた真壁に話をふった。真壁もいつもの口調ではっきりと言う。
「そうですね。なまえちゃんは恥ずかしがり屋さんですしね。こんなに可愛い方には、似合いません」
「そうよ。ベイビーちゃんは、コールガールなんてイメージじゃないわよ。……もう、いやねぇ。王子様ったら、勘違いなさっちゃいやよ? 私の言いたいのは、そんな意味じゃなくってよ?」
源次郎も慌ててフォローする。
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