そこに明智さん夫妻や阿久津先生、結菜や、室長達も寄って来て室長が言った。
「でも、あれねえ。慕ってると似るのかしら?」
みんなが注目すると続けた。
「だって、似てない? チビ助が酔った時と。チビ助もよく『ダーリンー』って昴に甘えてあんな感じでしょう? 昴もせっせと介抱して」
「あーあ、確かに。ボスの言う通り、あんな光景をよく見るな」
「昴さん、なまえちゃんには世話焼きですもんねぇ」
「そう! 結菜ちゃん、そうなんだよね。昴さんてば俺達には怖いけどさ、なまえちゃんには世界一優しいの」
そらが言うと如月が、すかさず続ける。
「なまえバカですからねー」
「ふふ。なまえくんも昴くんには、甘えん坊だしねぇ」
阿久津先生が『クスッ』と笑う。それを受けて翼さんが、ちょっとからかうように言う。
「そうそう。普段はキリリと格好良いのが、プライベートで昴さんと一緒だと、スッゴく可愛い女の子になっちゃうんだよ。ねー? くるみ。すばたんと一緒だとなまえちゃん、可愛いんだよねー」
「うんっ! なまえたんかぁーいー!」
みんなにからかわれ赤くなる彼女に、くるみが手を出しバタバタする。
「なまえたん、だっこー」
「くるみ、なまえちゃんお着物だから抱っこは出来ないよ。ママが抱っこしてるから良いでしょう?」
「いやー、なまえちゃん。だっこーっ」
騒ぐくるみを明智さんがたしなめると泣きそうになる。
そこへ酔ったミイコも加わりかなりにぎやかになった。
「姐さーんは、やっぱ最高ー。子供にも好かれる。うちらの自慢ですー! なまえさーん、万歳ー! 自分、一生ーっ、なまえさんについて行きまーすっ!」
「ちょっ、ミイコ──」
「なまえたーん、だっこーっっ!」
ミイコを止めようとすると反対側でくるみがバタバタして叫ぶ。
奥にいる親戚達の目を気にし、彼女が焦る。
フッと笑い『大丈夫。任せろ』と彼女の肩を安心させるようにポンと叩き『くるみは、すばたんが抱っこしてやるよー』とバタバタしてるくるみをひょいと抱いた。それを目で追う彼女に、オレはミイコの方を顎でさす。
「あっちは、あっちのダーリンに任せとけよ。きっと大丈夫だ」
「あっちのダーリン……?」
「ん、ほら。あ、れ、見てみ。フフッ。な?」
ミイコの彼氏は、騒ぐミイコを優しくなだめ、甲斐甲斐しくミイコの世話をやいていた。それを見た彼女が『ふっ』と目を細める。
「本当だ。ふふ。ミイコもラブラブだねぇ」
「だな」
彼女と笑い合ってたら抱いてたくるみが『なまえたんがいー』とバタバタし始めた。
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