それから彼女は気持ちを切り替え、仕事をしながら勉強も本当に頑張った。
(そんな
なまえをオレも出来る限りの応援したいし、みんなもそう思っているんじゃねーかなー、多分。このドレスもみんなの気持ちが沢山つまるんだろうな……。最高のドレスになりそーだな。ふふ、宇宙一のオレの花嫁にピッタリだ。あー、早くこれを着る
なまえが見てーなー)
そう当時の事を思い出しながら、チクチク手を動かし思っていた。
● ○ ● ○
オレは受けていないので見聞きした情報だが、巡査部長の試験は[短答式問題][論文試験][面接試験][部隊指揮実技、逮捕術実技等の術科教練試験]などが行われ、途中で落ちるやつもそれなりいるらしい。
結論から言うと、彼女は最終試験まで無事合格し、警察学校に六週間行く事になった。
彼女は試験の合間にも、他部署にかり出される事になるなど、忙しく大変な日々を過ごす事になった。
その件で彼女は、精神的、肉体的、疲労から体重が落ちて痩せてしまった位だ。最近、漸く元の体重に戻ってふっくらして来て、ひと安心している所だ。ボロボロになりその身さえ軽くしながら、それでも頑張るあの彼女の姿には、本当に切なく堪らない気持ちにさせられた。
いつしかオレは、自然と思考がそちらに向き、一連の出来事を思い起こしていた。
あの一件も、色んな意味で──どちらかと言えば悪い意味で、忘れられない出来事になっている。
あれは、雨が多くなって来た六月の事だった──。
24。へ続く。
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