「僕はね、昴の愛と笑顔があれば頑張れるの。大丈夫。だから昴、笑って。ね?」
(本当に、どうしてこうツボに入る事を……やっぱりこいつサイコー)
そう思いながら、彼女に笑顔を向ける。『ふふ……ありがと。やっぱり昴の笑顔、良いね。大好き』と彼女も笑顔になる。
それから、最近よく買うゼ*シィを二人で見ながらあれやこれや相談する。
「教会でお式ならドレスだけになるのかな?」
「いや、でも泪お父さんが『楽しみにしてたのに着物、着せないなんて』って言うぞ。下手したら『昴、ケチったわね!』ってオレ、おしおきかも」
「えー昴がおしおきされたら困るよ。んーじゃあ、結婚式場で和装で式してお色直しでドレス?」
「それだと『バージンロード歩かせないつもり?!』とか言いそうだろ」
「うっ、すごく言いそう……えーじゃあドレスでお式で綿帽子で写真だけ撮るとか? うーん……」
ちょっと唇を尖らせ気味にして悩む彼女にクスッと笑い、ちゅっとキスする。
「それも、良いかもな。式とは別な日に、仲の良い人に来てもらって写真撮ってその後、食事会とかな」
「食事会か。楽しそう……うん。それ、いいね」
「それなら、綿帽子姿も見られるしな。お前、きっとお人形さんみたいになるんだろうなー」
彼女と話している内に、夢が膨らみどんどん楽しみになって来る。
(誰よりも幸せな花嫁さんにしてやりてー)
そう思った穏やかで楽しい休みの夜だった──。
23。へ続く。
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