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「ほら、なまえ。アレ……」「あ……ラブラブだ。ふふ……。良かった。幸せそう」 二人を見て、彼女が微笑む。「なあ……なまえ」「ん?」「なまえは、アイツを恨んでねーの? ……ムリしてんじゃねーのか?」「んー? してないよ。悲しみや傷は、確かに受けた。それこそ心が、真っ黒に塗り潰されそうな位のね。でも、もうそれも癒えてるの。時間と、それから昴が癒してくれたよ。それにさ、分かるんだ。アイツは、僕と同じ。否定される事には慣れてるけど、愛される事にも、幸せにも、慣れてない。だから怖い。幸せは、壊したくなるし、愛されれば、逃げたくなる……」 それを聞いて、オレは彼女も何度か『自分は相応しくない、別れる』と言い出した事が、あったなと思い出してた。「ふふ……昴なら、分かるでしょ?」「ああ、そういえば姫も最初は一人で突っ走って、何度も逃げ出そうとしたよな。ま、オレは逃がさなかったけどな」「でも……昔の僕は、逃げられた。後も追わなかった……。結局、それが僕の出した答えなんだよ。だから、アイツだけのせいじゃない。……だって、昴は、追うでしょ? たとえば、僕がスルっと逃げ出したら」「ああ、ぜってー追う。それで、必ず掴まえる。掴まえたら、もう手放さねー」「今なら、僕もそうする。もしかしたらあの時……本当は、アイツも追って欲しかったのかもな。放さないって、抱きしめて欲しかったのかも。……だって僕、昴にそうされて嬉しかったし救われた。でも、昔の僕は、そういうの知らなかったから……。だから、アイツも幸せになれば良いと、本当に思ったの。……ヘンかな?」「ううん、オレはヘンとは思わねーよ」「そっか」 ふわりと笑う彼女。「あー、オレは逃がさなくて本当に良かった。これからも、逃がしてやんねーからな」 そう言って握ってた彼女の手を、恋人繋ぎに繋ぎ直してきゅっと握った。「ふふ……掴まえててくれて、ありがとう。ずっと放さないでね」「ああ、……でもお前、もうきっと、逃げられねーぞ」「ん?」「オレ無しじゃ、もういられねーだろ? ん?」「……もー、またそう言う事を。恥ずかしくなるじゃん!」「んー真っ赤な苺、旨そう……早く食いてー。連れて帰ろうかな。いい?」「ダ、ダメ! あ、後で。ほ、ほら、行こう! 僕、お腹空いた!」「ふふ……姫、可愛い。そうだな。とっておきは後での、お楽しみにしとくか。さ、行くか」 真っ赤になる彼女の反応を楽しみ、今日も平和で良い日だと思う。 彼女の手を引き、まだイチャイチャしてる神津と夏樺の元に、歩き出した──。22。へ続く。.
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