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曲が流れ、若い男が誘おうと口を開き掛ける。それより先に、彼女に声を掛ける。「ダンスの時間ですね。踊りませんか?」 オレの言葉に老紳士が『ふぉふぉふぉ……』と愉快そうに笑う。「それは良い。若い方は、良いですな。我々に遠慮なく、行ってらっしゃい」 二人で会釈をし、彼女をフロアーまでエスコートする。曲に合わせステップを踏み出し踊る。 彼女はダンスの練習もしているし、以前王子のパーティーでも踊った事がある。緊張もせず、流れるようにオレのリードについて来る。 周囲から『まあ、どなたかしら素敵……』などと、ため息が漏れる中シャンと背筋を伸ばし、優美に軽やかにステップを踏む。 オレ達は踊りながら何気なく周囲を、チェックして行く。「二階、三時の方向、不振者……」 彼女がオレの耳元に近付いて、唇を隠すように呟く。さりげなく確認すると、二階右側に不振な動きをする人物がいる。「確かに、動きが怪しいな。それと、一階左側にも、二人……。動きがおかしい。気をつけろよ……」 彼女に囁き、インカムで室長に報告する。すぐに、室長から指示が出される。「昴、ここで襲撃されたらパニックが起きる。移動するぞ。二人はさりげなく入口に向かえ。明智達は念の為、そこを移動。追尾がないか確認を忘れるな。小野瀬は、二階の不審者の所へ」『了解』と室長に短く返し、彼女を促す。「料理を取りに行く振りで、入口の近くのテーブルに、先ず移動するぞ」「了解」 彼女をエスコートしながら、テーブル付近に差し掛かった時彼女の向こう、二階の大きな窓の所で月明かりに一瞬キラッと光る物が見えた。反射的に彼女を引き寄せる。──バァーーン── 銃声が響き渡りる。続けてガシャンと大きな音を立て、すぐ横奥の大きな花瓶が割れる。──バァーン── 間髪入れずに銃声がもう一度轟いた。咄嗟にそちらを見遣ると二階からオレ達をの狙撃して来たらしい男が、腕を押さえていた。 そして、その対角線上の少し離れた場所に銃を持った石神の姿があった。「石神!」「石神さんっ!」 思わず二人で、叫ぶように口にした言葉。それをかき消すような悲鳴が、上がる。悲鳴をたどり視線をやると、入口と反対のテラス側に我先にと皆が逃げて行く所だった。悲鳴を上げ逃げ惑う人々に会場はパニック状態になっていた。 その混乱に紛れてマスクの男が数人、オレ達に襲撃をし掛けて来た。 マスク男のナイフを避け応戦しながら、彼女を見るとやはり他のマスク男を相手にしていた。テーブルに、背を倒しながらもナイフを避け、男の股関を思い切り蹴り上げた所だった。 急所に強烈な蹴りをまともに受けた男が『ぐぅえっ!!』と呻き股関を押さえのたうちまわる。痛さに白目を剥いている。 その隙に、スリットに手をやり太ももに仕込んだ折り畳み式の特殊警棒を出すと、警棒で犯人を撃退して行く。 とりあえず彼女の無事を確認し、こちらも襲い掛かって来た奴等を倒しに掛かった。.
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