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● ○ ● ○ チビ助と昴は、今夜はデートだとかで定時になると、お着替えコーナーに入った。チビ助は、宮代にもらったというドレスに着替え、昴にメイクしてもらいお洒落をしたようだ。「はい、姫、出来ましたよ」 お着替えコーナーから昴の声が聞こえ、エスコートされてチビ助が出て来る。 上品になり過ぎずキュートなそのドレスは、チビ助にとてもよく似合った。 俺を含めた野郎共から『おおー』と声が漏れる。藤守が感動したように『可愛らしいわー』と呟くと如月がそれに続いた。「うん、どっかのご令嬢みたいだ」「やっぱりチビも女の子だな。すごくよく似合うぞ」 明智がうんうんと頷きながら言う。俺もみんなに乗る。「本当、馬子にも衣裳ねえ」 チビ助は本当に綺麗で、もっとちゃんと褒めてやりたい気もする。が、いつもの俺のキャラならこの言葉が妥当だ。珍しく小笠原がポーっと見とれ『綺麗……』と呟いた。それを聞いてチビ助が『ふふ……』と照れて笑う。はにかんだチビ助はドキリとする程、可愛い。 誇らし気な昴がどこぞの貴公子の如く『さあ、姫、お手をどうぞ?』と手を差し出した。チビ助は、出された手を自然にスッと取り昴に微笑む。が、そこでふっと気付き手を離した。「……あの、見られちゃうとマズイよね?」「では、ドアまでエスコートいたします」 昴がそう言ってチビ助に微笑み、もう一度手を差し出した。「ふふ……ありがとう」 チビ助が嬉しそうな顔で昴に花のように微笑む。それから、俺達に向かいスカートの裾を摘まんで優雅に頭を下げた。「皆さま、ごきげんよう」 皆、見惚れ言葉を無くした。ポーッと佇む俺達に、もう一度ニコリと微笑むチビ助。そして昴の手を取り、スッ背筋を伸ばし歩き出した。その姿はどこかのご令嬢か、あるいは王妃のように凛としている。(出来るなら、俺が代わってエスコートしたい) そう思わせる程に、チビ助は優美だった。 二人が出て行くのを見送り、明智がボソッと口を開いた。「なんだか……別人だな」「チビって、化けるねー。公兄もびっくりしたよー」「ホンマやね」(本当にそうだな) そう思いつつも、おくびにも出さずいつもの調子で言う。「女って怖いわねえ~」 そんな俺に小笠原がいつものようにボソッと突っ込む。「オカマも怖い」「うるさいわね!」 そんな風に返しながらも、また思った。(本当に綺麗だった。きっと明日のパーティーも、さぞ綺麗だろう。無事に片付けないとな).
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