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『聞いてみるか……』と電話を入れると『数日待ってくれれば、調整して空けるから来いよ』との返事。オーケーサインを出すと、彼女の顔がほころぶ。「ラッキー♪ あの庭も、イルミネーションしたのかな? 楽しみだな」「そうだ。丞一郎の店行く前に、クリスマスのイルミネーション見ながらお散歩する?」「うわーステキ!」 少し元気になり嬉しそうな彼女に、口づける。唇を離すと彼女が、ふっと柔らかい微笑みを浮かべた。いつもの笑みが戻った事にホッとする。「さ、そろそろ戻るか」 屋上を歩く間、彼女の手をしっかりと握る。ふと見ると目が合う。二人とも自然に笑顔が浮かんだ。微笑み合って、オレ達は屋上を後にした。 ● ○ ● ○ それからまた幾日か経ち例のパーティーの前日になった。今日は皆、たまった書類作成に追われていた。「昴、チビ助、これ小野瀬に……あ、大変か」「いえ、行って来ますよ。歩かないと、ヒールに慣れないし……」 彼女が、腰を上げる。一緒に席を立つ。「じゃ、こっちの段ボールはオレが持つ。お前はこの書類袋を持て」「うん、ありがとう」 明智さんから声が掛かる。「転ばないようにな」『はい』と彼女が頷くと、如月が騒ぎ始める。「うう……チビが俺と同じ高さ……うわーん!」「あはは……まあ、まあ」 彼女がちょっと困ったように笑い、なだめる。「そういえば前に十センチ、大きいなりたいって言うてたやん。どうや?」「えへへ……。嬉しい。けど、ちょっと高くて怖い」 そう藤守に返す彼女に如月が膨れながらボヤく。「靴で良かったよ。第一さ、女の子がそんなに、でっかくなっても良い事なんかないぞ」「それは、君と彼女が並ぶ場合でしょう。チビは一柳さんに合うか合わないかが、きっと基準だよ」 小笠原の冷静な突っ込みに乗って、スッと彼女の傍らに並びからかうように如月に言う。「ん、どうだ? 今十センチ差かな。お似合いだろー?」 如月がますます膨れる。「あー、もう! 勝手にやって下さいよっ。ノッポなんて、嫌いだ!」「ハハハ……妬くな、妬くな」 明智さんが、笑い言う。すると藤守がオレ達を『んー』とまじまじと眺める。「今の十センチ差もええけど……。いつもの二十センチ差が、俺は好きやな。なんや、ちっこい方が可愛らしいてええよ」「確かに、いつもの方がチビらしい」 小笠原が眼鏡を上げつつ言うと、室長がこちらを見て続ける。「ま、チビ助はやっぱりおチビの方が良いわね」「だけど室長、デッカイよねぇ。僕が十センチ高くなっても、まだ十五センチも差があるんだよ? ……いつもなんて二十五センチも。室長の彼女だったら、身長差あり過ぎで悩んでる所だよ」.
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