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「今の時期なら上も、ブラウスやシャツからこんなセーターにしても……ほら、案外カジュアルになり過ぎないし合うでしょ。こういうブラウスを合わせたら優しい感じが出るし、クールに決めたいならこんなシャツを合わせてみても良いわよ。どう? 印象変わるでしょう?」「わー、本当だ。感じ変わる! へぇ」 見てる内に楽しくなって来たのか、彼女に笑顔が出て来る。「ベイビーちゃん、どれも似合うわねぇ。本当モデルにしたいわー。前のフェミニンなワンピも素敵だったけど、パンツ姿も素敵……あら? どうしたのよ。また、お顔が曇ったわねえ」「ん、あのワンピはあの後、犯人に破かれちゃって。ダメになっちゃったんだ……」 彼女がシュンと悲しそうな顔になる。源次郎が、なるほどという顔で頷く。「そうだったの。ねぇ……ベイビーちゃん。確かにダメになったのは残念だったけど、私はあれを着たベイビーちゃんの姿、ちゃんと覚えてるわよ。ベイビーちゃんはどう? ……そう。昴ちゃんは、勿論覚えてるでしょ? ねぇ、服は無くなっても、記憶には残ったわ。だからそんなに、悲しい顔しないの。せっかく可愛くて素敵だったんだから、悲しい記憶にしたら勿体無いわ。覚えておくなら、ここで楽しそうに笑った時の記憶にしましょうよ?」「……そっか。最初着た時、嬉しかった。ふわふわで。覚えておくならそっちのが楽しいね。ふふっ……源ちゃんてすごい! ありがとう!」「あら、褒められちゃったわ♪ フフ……いい? ベイビーちゃん。その笑顔、忘れちゃダメよ? 女の子の武器は──」「笑顔!」 彼女が笑顔で源次郎とハモり、一緒に『ふふっ』と笑う。(確かに、最強の武器かもな) 彼女の楽し気な笑顔に、そう思う。 それから、下着と、ジャケット、パンツを数本と、セーター、シャツ、コート、ローヒールのパンプスを選び買う。どれも彼女によく似合う。「わ……またいっぱい買わせちゃった。ごめんね、昴」「ん? 気にするな。いつも服買いに行くと、お前自分で金払っちまうからな。源次郎の所で買った時位、出させろ」 気にする彼女に支払いをしながらそう言った。「ありがとう、昴」 『ああ』と彼女に微笑んだ所で、さっきのオレの言葉に源次郎が騒ぎ出した。「あーら? ベイビーちゃん、他所で服なんて浮気よっ? ひどいわー。泣いちゃうから」 ハンカチでも噛みそうな勢いで騒ぐ源次郎に、彼女が慌て始める。「え? いや、ここの服、すごく好きだよ。でも……あの、恥ずかしいけど。僕のお給料では、そうそう買えないんだもん。僕、まだ一番下っぱでお給料、そんなには、ないからさ。ご、ごめん……」 申し訳なさそうに、ちょっと頬を赤らめて後ろ頭を掻きながら彼女が言うと、源次郎は目をパチパチさせた。
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