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「あー良かった。いつものチビだ」 ホッとしたような如月の声に藤守が頷いている。「ホンマやね。エンジェルスマイルも復活や」「あ、あの顔……昔、可愛かった頃と一緒じゃねえか」 ココアを飲みながら聞こえて来た神津の声に、そちらに視線をやる。 ヤツは懐かしさと愛しみが混じったような顔をして、彼女を見ていた。 如月が神津の呟くのを聞いて呆れたように、大きく息をついた。そして、責めるような口調で文句を言い出した。「アンタが、チビをおっかなくしてるんだよー。アンタ、俺達のチビを傷付け過ぎなんじゃないー?」「如月がそう思うのも無理はない……秋月があんなに怒るって事は神津さん。アンタ、チビにかなり酷い事をしたんだろ?」「うっ……」 二人から痛い所を突かれた神津が、言葉に詰まる。その様子を見ていた小笠原が、眼鏡を上げながら口を開く。「俺も明智さんの言うの、当たってると思う。彼女、優しい子なんだ。その彼女があんなに言うんだから、きっとアンタのした事でかなり傷付いたんだ。可哀想に」「ホンマに、傷付けるとか……もう止めて欲しいわ」「刺されないだけ、良かったじゃない。今までの話から察するに神津くん。君、初めてのおチビちゃんに乗り逃げして消えたんだろう? しかも今更現れて、無茶な頼み事までして。……あんな言葉だけじゃ済まない所なんじゃない?」「そうねえ。愛憎っていうのは事件に発展しがちだしねえ。神津、助かったわね。チビ助だから、アレで済んだのよ。でも……これ以上うちの子傷付けてあの笑顔、曇らしたらぶん殴るだけじゃ済まさないわよ? 覚えておきなさい」「へえ……。穂積、だけじゃ済まさないって事は、後でぶん殴るつもり? なら俺も、一発参加したいな。君、強いみたいだから楽しめそうだ」「あら小野瀬、元ヤンの血が騒ぐの? アンタといると、チビ助も小野瀬もヤンキーに戻っちゃうみたいねえ。全くとんだトラブルメーカーだわ」「俺が、トラブルメーカー? まいったな……」「ま、とりあえずヤマ、片付けましょ。チビ助ー、落ち着いたらミーティングするわよ」「あ、はーい。その前にみんなにも、お茶淹れましょうか?」「あら、気が利くじゃない。じゃ私は──」「緑茶ですよね。ふふっ、任せて下さい。あ、お前は?」 彼女が神津に声を掛けると、神津はちょっと予想外だったのか驚いたような顔で聞き返した。「え? 俺も良いのか?」 彼女は小さくクスッと笑うと、いつもの明るい調子で返した。「ああ、お茶位淹れてやるよ。何が良い?」「じゃあ、珈琲で。俺も手伝おうか?」「ん?」 彼女が何か言う前に割って入る。「いや、いい。オレが手伝う。行こう」 彼女の手を引き、給湯室へ行くのに歩き出す。後ろで小笠原、神津、室長の声が聞こえた。「……メラメラ大魔王?」「めらめら??」「ま、大丈夫でしょう」.
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