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「今度はなんだ?」「一柳さん、それって前の部署の名残なんですかねぇ? 警備部だったから、とりあえず警戒しちゃうって感じ?」「警戒してる様に見えるか?」「はい、思いっきり。せっかく綺麗な顔なのに勿体ないですよ? もう少し笑えば良いのに……ん? 笑えば良いって……あれ? それって……」 途中から小声になりぶつぶつと言っていて、聞き取れない。「あ? 聞こえねー。何?」「あーいや、一柳さん。ともかく目が怖いです。鋭い。それじゃそのイケメン顔をもってしても、ビビって話してくれませんよ? 笑って」 そう言うと真山は、オレに向かってまるで笑顔を誘うみたいに、ニッコリ微笑んでみせた。「あ、ああ……」 その笑顔に一瞬ドキリとしながら、つられたように微笑む。 その“ドッキリ感”は、これまで女に不自由した事がなく【追わず、溺れず、スマートに】が主義のオレにはかなり意外な感覚で一瞬戸惑いを感じた。(あれ? なんでオレ、ドキッとしたんだ? 少年みたいにしか見えないコイツに? このオレが? ……気のせい?) そんなオレの戸惑いはさておき、先を行く藤守が女子高生達に話し掛けた。「あのーちょっとええかな?」 声を掛けた女子高生の後ろで他の二人がきゃーきゃーと騒ぐ中、情報を聞き出して行く。 ● ○ ● ○ 聞き込みして歩くも有力な情報はなく、捜査は進展せず一日が過ぎて行く。「……はぁ。糸口すら、見えて来ませんね。今の内に防がないと。犯行がエスカレートしたらと思うと、ゾッとしますよ」 真山が眉間にしわを寄せる。「なんやお嬢。お前らしぃないな。そんな顔すんなや。早く解決したいんは、俺かて一緒や。でも、焦ったらあかん。見えるもんも見えなくなるで。女の子、狙うなんて卑劣や。こんな犯人赦されへん。絶対、捕まえたろ。な?」 真山が、自分の頭をくしゃくしゃっと撫でて優しい目で励ますようにニカッと笑う藤守を、見上げる。「そう、ですよね。焦っちゃダメなんですよね。……うん! そうだよ。出来る事から、潰して行かなきゃ」 自分に言い聞かせるみたいに言って、大きく深呼吸をし気合いを入れるように頬をパチパチと叩た。それから藤守に、元気よく『頑張ります』と言ってシャキッとした。「おっ、気合いが入ったようやねー。よし、頑張ろな」 そのやり取りを見ながら、オレはここに来る前の室長と明智さんの言葉を思い出していた。
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