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「初めてがそれじゃ、その後怖くなって当然かも、な」 そう言うと、オレの腕の中で彼女が言った。「そういうので、気持ち良かったのも、無理に我慢しないで出来たのも昴とした時が、あの時が、初めてだったの。だから、昴にみんな教わったって言ったんだよ」「ならさ、オレが初めてと思っとけ」「うん、だって嘘じゃないもん。本当に、あんなに幸せなの……初めてだった」 そう呟いて顔を上げ腕の中からオレに微笑む彼女に、愛しさを感じる。『そうか』と微笑みを返すと、彼女がボソボソと話し出した。「でも……。こんなの呆れるかと思った。僕、経験値低くてダメダメだし……」 オレは『んー』と言いながら、彼女を抱いたままムクッと起き上がる。と彼女が『ん?』と小首を傾げてからオレの膝の間でモソモソとし、どっかに行こうとする。『どこ行くんだよ』と彼女を捕まえて、ひょいと抱き上げ膝の上に乗せた。「起きたから、喉でも渇いたのかと思って……。何か取って来るよ」 オレの為かと、分かると頬がゆるむ。「ふふ……そっか。ありがとう。でも、後で良いよ。今はここにいろ」 後ろから彼女を抱きくるむ。「それより。……あのなー、前も言ったけど経験値なんか低くても良いの。オレと覚えて行けば良んだよ。ちっともダメダメじゃねー。オレは、お前とすると幸せになるってこれも言ったろ? お前はダメ所か、最高だよ?」「そうか、最高か……へへ」 照れる彼女の向きを変え『そう、最高だよ……ん、愛してるよ。なまえ……』唇を啄む。柔らかで甘い彼女の唇は、毎回、オレを困らせる。(これ、一度触れると魔法みてーに、虜になるんだよな……) 離れ難い気持ちにさせられて、キスが止められない。幾度も唇を重ねる。『昴……』微かに唇を触れ合わせたまま、彼女がせつなげにオレを呼ぶ。「僕も、君をすっごく愛してるよ……」 揺れる黒い瞳に、愛しさが煽られる。 オレの頬に添えられた手を取り握った。溢れそうに高まる愛しさを込めて、彼女から目を離さずに指に口づける。はにかみふわりと笑った彼女が、愛し過ぎて胸が苦しくなる。(……言葉じゃ、もう伝え切れそうもねー。なまえ……) 彼女をもう一度ベッドに押し倒す。そして、心と身体の熱の赴くままに彼女を求めた。 ● ○ ● ○ オレの胸に頬をつけて穏やかな顔で眠る彼女の髪を、そっと撫でる。 可愛くて、愛しくて、幸せを感じる。 ふと疑問が頭に浮かぶ。(……病院に毎日通ったって事は、アイツだってなまえを気に入ってたって事だよな? 処女が、嫌な野郎もいるだろうが……。だが、すぐに手を出さなかったのは、ヤツなりになまえを大事にしてたからに思える……それを、何でだ? ……ま、アイツがどうだろうが、どうでも良んだが。なんか引っ掛かる)(何でまた現れた? ヤバい状況に手を借りに来たつーが、わざわざ棄てた女に、か? ……裏があってなんかの罠とか?)(それとも、寄り戻そうと? あんなにちゅっちゅっと何度もキスしてやがったし、身体もいやらしく触ってやがったしな、それに抱いてやるだのぬかしてやがった。……復縁狙いが無いとも言い切れねーよな。にしてもあの野郎、やっぱりぶん殴ってやりてー。ったく……)(いずれにせよ、油断ならねーな。戮もそうだが、アイツも要注意だ、な).
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