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「始まりも純粋じゃなかったし、罰が当たった。自業自得だって思った。でも一方では、他でもそういう事したのかって。僕が許さなかったが原因だろうから、僕のせいだとは思ったんだけど、どうしても頭に来るし。何かショックで、もうダメだった。男性不信みたいになって……それからは友達はいても、彼氏は作んなかった」 そう言った彼女は、感情を無くした作り物の硝子玉みたいな瞳をしてた。見てるこっちまで辛くなるような表情だ。「他人と一緒に生きるなんて、僕には向いてねーって、もう誰かに恋したり好きになったり出来ないし、したくねーって思って生きて来た。寂しい時は国や、ダチがいたしね。それで充分だったんだ」「それでも、あの時昴に会って(笑って欲しいな)って、昴が妙に気になった。一緒に仕事してる内に(もっと仲良くなりたい)って……気が付いたら、色々考える前にいつの間にか、好きになってた。それからは知ってるよね。……これが僕の全部だよ」 言い終えると、彼女は『フフ……』と泣きそうで苦しそうな、何とも言えない顏で無理に笑った。「ダサいよねぇ。棄てられた後に、浮気だもん。……僕なんて、その程度の女なんだよ。だからね、最初に昴とそうなった時、内心怖かった。(僕で大丈夫かな)って、さ。朝になったら『やっぱり、一晩きりの事にしてくれ』って言い出されるんじゃないかって不安で……。怖くて眠れなかった」 聞きながらオレは最初、彼女がヤケに緊張してた事や朝、目がウサギみたいに赤かったのを思い出していた。「けど次の朝も昴、優しくて『またこれから何遍でも一緒にご飯、食べられる』って。あの時、僕すごく嬉しかった……」 そう言う彼女の瞳から、ポロポロ、ポロポロと涙が溢れて落ちた。「……ごめん、イヤな事、沢山言わせちまって……ごめんな」 オレは謝りながら彼女の頭を腕の中に抱き寄せた。「ズッ……がっかり、したろ?」「……何で?」「だって……僕、棄てられるような女だもん……。昴に、ちっとも釣り合ってない」「ああ? そんなのお前のせいじゃねーだろ。神津や朔夜が、バカだっただけだ」「……スン……」「なあ……なまえ、お前さ自分がダサいとか、価値低く見るな。いつも言ってるけど、お前はいい女なんだよ。魅力的なの」「…………グス」 一旦身体から彼女を離し顔を覗き込んで、噛んで含めるように言う。「分かるか? オレを信じろ。もうバカ男共の事なんか忘れちまえ! アイツ等が大事にしなかった分、その何億倍もオレが大事に、愛してやるよ」 そう言ってから、また大事に腕の中にとじ込める。.
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