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「…………」(おもしろくねー。さっきオレの事は言わなかったのに、なんで他の野郎を褒めてんだ……)──むにゅーっ── 彼女の叩かれてない方の頬っぺを掴み、うにょーんと横に引っ張った。「ひゃー! いひゃ! …はんで? すはう?」「……なんか、ムカつく」「ついにメラメラ大魔王降臨」 と小笠原がボソッと言うと明智さん、如月、藤守が『ふむ』と納得するように頷き、酒を口にした。「ま、昴の気持ちも分かるな」「確かにー」「まあ、多少のお仕置きは仕方ないかも、分からへんねー」 オレの味方をする明智さん、如月、藤守に彼女はきょとんとする。「ふぇー??」「『ふぇー?』じゃねー! もう!」(くそー。そのきょとん顔、反則だ。……滅茶苦茶可愛いじゃねーか。つーか、可愛い過ぎる。……でもここは、ちゃんとおしおきしとかねーと) ゆるみそうになる頬を堪えていると、彼女が上目遣いに『うー、いひゃいへー……もーゆるひへー?』と言った後で、オレにぎゅっと抱き付いて来た。「あっ、……お前、その甘え方は、ズリーぞ」 ついさっき可愛いと思った段階で、既にゆるんでしまっていたオレの指は、すぐに彼女の頬から外れた。彼女は“ぽすんっ”とオレの身体に抱き付く。 そして『へへ……』と小さく笑い、顔をつけ甘えるようにスリスリした。 小笠原がまたポソッと言う。「一柳さんの負け」 如月が酒を飲みながら、やっぱりポソッと言った。「でもあんな風に抱き付かれちゃったら……」「たまらんわ」 途中で切った如月の言葉に藤守が続けると、小笠原が『チビ、小悪魔』と呟き、明智さんが『だな』と同意する。(それは、オレも同意見……ったく、こんな顔見せられちゃ、勝てるワケがねー) 抱き付きオレの胸に横顔を付けて、目を閉じている彼女。その顔はとても幸せそうで……。おしおきしてたはずが、嬉しくなって来る。(本当、オレは彼女に甘いな) 内心苦笑いのような、ちょっと複雑な心境になる。(ま、でもたった今一番心を占めているのは……やっぱり幸せ、かな) そんな内面がオレの面に出ちまっているのか、みんなが笑う。優しく見守るような、そんな雰囲気に胸の中がじんわりとあたたかくなる。「あら? またくっついてる」「ラブシーン? 良いねぇ。昴くん代わろうか?」 そんな声と共に、室長と小野瀬さんがこっちのテーブルにやって来る。 彼女がオレから身体を起こし振り向くと、いつもの調子の小野瀬さんに少し呆れたように笑う。「ああ? 小野瀬に代わると妊娠するだろう。それならお父さんの所に来い」「あっ! ダメです! オレのですよ。やりませんって」 彼女を引っ張った室長から取り戻すと、盗られないように室長から隠す。
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