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「引き受けるんですか? 穂積さん。……大丈夫、なんですか?」 石神の声が聞こえて来る。「あ? 石神さん、アンタには多分理解出来ねえんだろうな」 室長が問い掛けにフッと笑う。そこに、小野瀬さんがいつもの調子でさらりと口を挟む。「そうだねぇ。今回はリスクが高そうだ。現場での危険もだけど、下手すれば上に睨まれるよね。……失敗したら、お前のとこお取り潰しかもねぇ」 それに対して黙っていた桂木さんが、静かに口を開く。「だが、放って置く訳にも行かなそうだ」 室長が『ああ』と言ってウィスキーを口に運んだのか、コップの中で氷がからんと高い音を立てた。「まあ、お取り潰しの危険も、あるにはあるが……。桂木さんの言う通り、放って置く訳にいかねえだろう? 放っとけばアイツ、チビ助は、間違いなく暴走するぞ。……下手すりゃ死んじまう。シャレにも、なりゃしねえよ」『……だよねぇ』と言う小野瀬さんの声を追うように桂木さんの『……だろうな』という同意が聞こえた。少し間を置き、石神が『……ですね』と言った。それを聞いて室長が意外そうな声を出す。「ほぅ、石神さん、俺はてっきり[そんな無謀な事を……]とアンタなら言うかと思ったよ」「私にも、少しは彼女の事が分かって来ましたから」「ハハハ……ついに石神さんも毒されて来たか?」 室長が、愉快そうに豪快に笑い、またグラスを鳴らし酒を飲んで言った。「あいつは、周りを台風みたいに捲き込んじまう所があるからなあ。……ま、素直な所もあるんだが。……とんだ跳ねっ返りで目が離せねえ」「無事に片付けないとな。穂積、何か協力出来る事はあるか? 俺も手を貸すぞ」「そうですね、あまりおおっぴらには出来ませんが、無鉄砲な妹を放って置く訳にも行きませんから……」 室長に、桂木さんと石神が協力を申し出る。(室長じゃないが、あの石神にあんな風に言わせるとは……スゲーな) そんな事を考えていると、今度は小野瀬さんの声がする。「お父さんの事だから、俺はもう頭数に入ってるんだろ?」「……当然、だな」「……はぁ。だと思った。しかし、おチビちゃんはすごいねぇ。彼女は自覚もないんだろうけど、管理職まで動かしちゃうんだから」(……確かに)「ああ、チビ助はいつの間にか、味方をどんどん増やしやがる。ふふふ……敵わねえよな、全く。……じゃあ悪いが手、貸してくれ──」 そこで隣から、彼女のすまなそうな声がして(ん?)と自分のテーブルに意識を戻した。.
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