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「なら、お父さん達を信用しなさいよ。それにチビ助だけじゃ暴走するでしょ? アンタこそ一人で引き受けて、死ぬ気?」 そう言われて返す言葉がなくなり、困った顔をして後ろ頭を掻く彼女。室長が続ける。「……私達もね、アンタの考えなんてお見通しなの。ダメよ、そんなの。……はぁ。本当、このじゃじゃ馬は手が掛かるわ」 少しオーバー気味にため息をつくと彼女は叱られた子供みたいに、小さくなって素直に謝った。「ごめんなさい……」「良い? チビ助、去年も今年も沢山、病院の世話になったけど今回は、ケガをせず無事に片付けるわよ。もちろん全員無傷で、よ。肝に銘じなさい。みんなも分かった?」 オレや彼女を含めた捜査室メンバーが『ハイ!!』と返事を返す。室長が神津を見る。「ちょっとそこのアンタ、神津、アンタもよ?」「え? 俺?」「そうよ。アンタもケガをせず、無事に終らせる。肝に銘じなさい。良い? アンタがヤバくなれば、きっとチビ助……真山も命を張る。……ヤバくなるって事なの。だから肝に銘じろって言ってんのよ」「分かった。必ず無事に戻る」「じゃあ、明日改めてミーティングをする。さあ、今夜はこの話は、終わり。せっかくの忘年会よ。今年頑張った分、楽しみなさい」 室長の声に、またみんなが飲み食いを始める。きっとみんな内心では心配や不安はあるだろう。だが、事が起こる前から臆病風に、吹かれていても仕方ない。 オレ達は笑顔で酒を交わし、会話を楽しんだ。ふと、室長の声が届く。「神津、アンタも明日捜査室に来なさいよ? ……任務遂行中は、私のチームとして扱うわ。それで良いわね?」(アイツも一緒か……オレはアイツを信用出来ない。充分注意しないと) 酒を口にしながら、室長達の会話に耳を傾ける。「ああ。よろしく頼む」「言っとくけど、単独プレイは許さないわよ。……それと、情報は隠すな。その隠し事、一つで危険が増すんだ。分かってるよな? 俺は、真山のようには行かねえからな……」 後半の声には恫喝するような響きがあった。室長もヤツを信用したワケじゃ、なさそうだ。「ああ、アンタ達まで……すまねえ」「ああ? 勘違いするなよ? 俺達は真山の為に動くんだ。アンタの事は……全部済んだらぶん殴ってやるから覚悟しとけ」「……分かった。じゃあ明日、伺うよ」 神津が立ち去る。 鬼軍曹どの達が後に残り、酒を飲み始めたようだ。 オレは、傍らの彼女の肩を抱いて酒を飲みながら、何気なくそちらのテーブルに意識を残したままにした。.
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