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ヘドが出そうに、嫌な気分だ。睨み付け、吐き捨てるように言った。「お嬢さまが危ねーから、なまえに替え玉になれって? チッ、本当に、勝手な野郎だな」「こんなのに、なまえを巻き込もうなんて……アンタにも、悪いと思ってる。すまねー」「……ヤバいって、どういう連中か掴んでるの?」 室長が神津に聞くと、さすがに言い難そうに答えた。「……戮(りく)の連中らしいんだ」「え、戮?!」 皆が驚き、思わず聞き返す。すぐには答えない神津に、明智さんが重ねて問う。「戮って、あの戮で間違いないのか?」「……ああ、あの戮で間違いない。かなり、ヤバい連中らしいな」 神津の答えに、真壁が信じられないとでも言いたげに、少し責めるように叫ぶ。「えーぇ! あんな連中相手じゃあ、いくら強くても……なまえさんだって、かなり危険じゃないですかっ!」 いつも穏やかな真壁が怒るのを聞いて、結菜が不安そうに『戮って?』と聞く。隣の翼さんが説明した。「戮は色々な国から、国際手配されてる残忍で有名な極悪殺人集団の名前よ。日本でも追ってたんじゃないかな。確か……でも私が辞める時には、まだ捕まってなかったはず」「まだ捕まってないよ。世界中で追っているのに幹部の一人ですら、捕まってない」 小笠原が言う。「けど戮の被害者は、世界中にもう何人もいる。つい、この間もマイアミデイド郡警察の警官が、戮の捜査中に二名、殉職してるはずだ」「そんな……。あなた、なまえちゃんにそんな危険な事をさせるつもりなの!? ひどい」 珍しく結菜が神津をなじるように言った。「……だな。だから、なまえが引き受けてくれるなら、俺がついて側で守ろうと思ってる」 そういう神津に、ますますイライラがつのる。「フン! 守るだと? ずいぶん、簡単に言ってくれるよな? そのお嬢さまは守り切る自信がねーくせに、なまえなら守り切れるって!?」 オレはヤツを、睨み付けながら続けた。「悪いがオレはアンタを、信用出来ねー。アンタに大事な女を預けるワケには、行かねーな」「確かに。大事なチビ助を預ける訳には、行かないわねえ」 室長がオレに続いて言うと、神津を見る。腹を探り合うようにじっとお互いを見て、少しの間沈黙が流れる。 石神が『……一つ疑問なんだが、良いですか?』と沈黙を破った。神津が頷くと、眼鏡のテンプルを上げて言った。「失礼だが、その方はどういう素性の人物なんですか? 普通のセレブのお嬢さんが、あの戮に狙われるとは考え難い」「お嬢はある大物政治家が、外で産ませた子供なんだ」.
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