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「想い出めぐりなら、もう一つ、大事な想い出があるだろ? オレに見せて」「それは、やっぱりアレだよね?」「ああ……」 彼女がチラッと子供達の部屋の方向を気にする。 ちゅっとまた口づけると彼女に囁く。「大丈夫、起きないよ。今は、オレだけのなまえでいてくれ。愛してるよ、なまえ」「僕も……。もう愛しくて愛しくて溢れそう。ねぇ、溢れる分は昴がもらってくれるんでしょ?」(結婚する前に彼女と愛し合った後、ベッドでそんな会話をしたな……) そう思ってると、彼女が『うふふ……』笑う。見れば、悪戯な瞳がオレに[ねぇ、覚えてる?]と問い掛けてるようだ。フッと愛しさに目を細め、彼女に答える。「ああ、それはオレを幸せにしてくれる媚薬だからな。みーんなオレにくれ。オレもなまえが愛しくて、もう溢れそうだ……」 あの時と同じ言葉を口にしてから、彼女を抱き上げ運ぶ。クスッと笑う彼女にキスして、ベッドへ優しく下ろした。 彼女のドレスを脱がし白く滑らかで手触りの良い彼女の素肌に、初めて見たあの日の感動を思い出す。「初めてこの肌を見た時、心が奪われた。感動したよ」「えー比べないで……あれから何年も経ってるし子供も生んだんだよ? あの頃と比べられたら、困るよぉ……見せるのがイヤになるぅ」「ん? あ、隠すなよ。困る事なんかないじゃないか。あの時と変わらず綺麗だ。この白さも、滑らかな所も変わらない。お前は、昔から容易くオレの心を奪ってくよな……オレは、お前の全部が今も好きだ。この身も、そのちょっと悪戯で可愛い所も、優しくて健気な所も、凛とした強さも……愛してる」「もー貴方も昔から、僕の心をわしづかみにするよ? その目力のある綺麗な瞳で見つめながらそんな事……。クラクラしちゃうよ。なんかズルい。また、ガシッと掴まれました」「ん? ふふ、そうか。それは良かった。お前は何より大事だからな。誰にも盗られぬようにハートは、掴んでおかないと」 クスクスと笑いキスを交わしてじゃれつきながら、オレの達の始まりのきっかけをくれた大事な想い出。彼女の腕の印を指でなぞる。「だいぶ、薄くなったな。この傷痕……」「ん、あの家出から結構な月日が経ったもの」「……可愛い妻のおかげでその長い月日も幸せだった。ありがとう」 愛と感謝を込めて『愛してる』と傷痕にキスを落とした。「なまえ、お前にやるよ。オレの愛、全部やる。もらってくれ。だから……この先も、ずっとオレの傍にいろよ? お前はオレの手で幸せにしてあげたい愛しいオレの、唯一のひとだ」「嬉しい……。はい、なまえはこれからもずっと、貴方の傍にいます。すー、愛しています」 彼女は少しせつなげに微笑む。『愛し過ぎてせつなくなる』とキスをくれた。愛の沢山詰まった、そんなキスに心が震える。 心も身体もひとつに重ね……幸せの媚薬に甘く酔わされていった──。大人の童話風 王子物語番外──過ぎゆく季節、重ねた心。──End.
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