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「その内にお前が気になって、気になって。もう目が離せなくなった。お前の事を四六時中考えるようになったそうなるとさすがに自覚したよ。もう、自分でも否定出来なくなって気持ちを認めたんだ……ほら、あの倒れた時だ」「ああ、アレは本当に驚きました。昴が倒れるなんて信じられなかった。貴方は、部屋に閉じ込まってしまうし。じいやにどこが悪いのか聞いても、ハッキリしないし。心配で、心配で。もう私の方が倒れそうでした」「ああ、覚えているよ。お前『顔を見るまで帰らない』と言って部屋の前から動かなくなったんだよな。食事もせず、ずっと。お前が心配で、仕方なしに顔を出したら目が合った瞬間いきなり泣き出して。アレには、びっくりしたなー」「もー、他人事みたいに言ってぇ! びっくりしたのは、僕の方だよ? 本当に心配したんだから!」「あはは。すまん、すまん。でも久しぶりだな。なまえが、自分の事を[僕]と言うのは」「あっ! しまった。つい」「ん? 良いじゃないか。たまには。子供達ももう寝たし、今はオレとなまえの二人きりだ。なまえ、こっちおいで」 腕を広げると、彼女がちょっと照れた顔で側に来る。手を取り引き寄せて膝に乗せた。そうして後ろから包むように、腕に抱き頬にキスをした。ふわりと微笑むなまえが愛しい。「なまえの笑顔は小さな頃から変わらないな。幸せな気分になる。そう言えば、お前が四つの頃カマキリにいじめられたの覚えてるか? あの後、もしもこのまま笑わなくなったら、どうしようって心配だった」「ああ、何となく。カマキリみたいな人だっけ? あの人の事は怖かったのしか覚えてないや」「そうか。でも嫌な事だから、忘れられたなら反って良かったかもな」「覚えてるのはね、昴の事。まさに王って感じで凛々しくて、格好良くて。僕を抱き止めて背に庇うようにしてくれた……。何故か、それは鮮明に覚えてる。元々大好きだったけど、あれから世界中の誰より一番、好きになったの。あ、なら、あの時が僕の初恋かも。それで、覚えてるのかなぁ。ふふ、まだ四つなのに、小さな王様に恋したんだね。僕って凄いオマセさん」「フッ、小さな王様か。あの時は、カマキリからなまえを守ろうと必死だったよ。けど、それを言ったらオレもあの頃からお前が気になって仕方なかったな。お前、可愛くてさ。ふふ……つまり、オレもチビの頃からやっぱりなまえが好きだったのかもな」「ふふ。一緒だね。僕はこれからもずっと世界一、すーが好きだよ」「オレも」 微笑む妻にちゅっとキスを落とす。「その呼び方、懐かしいな。でも昔は[すー]って言えなかったんだよな」「うん、覚えてる。すーが根気よく教えてくれたよね。あ、それでさっきのカマキリが来たの? 何だかあの人に繰り返し練習させられた気が……。えーと確か、さ行? 怖かったなー。喋るのが、段々イヤになった。そんな覚えがうっすらとあるよ?」「うん。お前、どんどん無口になってな。そうか、やっぱりアレが原因の一つか。薄々そうかなと思っていたんだけどな。もう一つは……やっぱり寂しさが原因かな。昔迎えに行く度にお前がひとりぼっちに見えて、どうにかしてやりたいと子供ながらに思ったよ」
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