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「ほら、おんぶしてやる。乗りな」「つゅー、あーと」「ふふ、どういたしまして。じいやが褒めてたぞ。なまえは[あーと]ってありがとうが言えてお利口さんだって」「じー?」『うん』頷いてなまえをおぶるが、父さんの荷物を持ってたら無理で『待った』と言って廊下の隅に置き、もう一度背負った。「なまえ、ちゃんと掴まってろよ。そうだ。お前、くーは? お留守番か? くーがお留守番は珍しいな」「くー、ない」「ない? んー? ない、か……あ、もしかして、落としたのか?」「ん」「そっか。じゃあ、僕とお迎えに行くか、な?」「ん!」 戻る途中でくーと枕を発見。でも持つとなまえをおぶえないので、もう一度戻る事にして先に部屋へ行く。膝を見ると赤く腫れてた。手当てがいる。じいやに電話して手当てを頼んだ。じいやを待つ間に、急いで戻りくーと、枕とお土産を取りに行った。部屋に戻るともう一度、じいやに電話して新しい枕も頼んだ。 それから、なまえに父さんからのお土産を渡した。なまえはニコーっと笑い『つゅー、あーと』とペコッと頭を下げた。それが可愛くて、僕も微笑み頭を撫でた。「なまえ、転んだのに泣かないで、じいやの言う通りお礼も言えてえらいな」 そう褒めてやると、思い出したように僕の手を取り『いたーの』と催促した。 僕は、痛くないようにそーっと優しくなまえの膝を撫でおまじないをしてやった。「ちちんぷいぷい、痛いの、痛いの、飛んでけー」「けー」 なまえが真似する。可愛い。クスッと笑いを漏らし、聞いてみた。「なまえ、飛んでったか? もう一回する?」 頷くなまえ。「よし、ちちんぷいぷい、なまえの痛いの、お空に飛んでけー」「けー」「飛んで行ったか?」「ん、いったー」 なまえと笑い合っているとじいやが来た。 じいやが湿布を貼ってくれながら『本当に仲がおよろしい。ご兄弟のようですな。ふぉふぉふぉ……』と笑った。じいやの独特な笑い方を、真似てなまえも『ふぉふぉふぉ』と笑う。それがおかしくて、僕達はみんなで笑った。 新しい枕を置き、ベッドに一緒に入るとなまえは片手を“ちゅう、ちゅう”やりながら、空いた手で僕の寝間着をしっかり握って眠った。 しゃぶったなまえの手を取り、じいやがさっきベッドサイドテーブルに水差しと一緒に置いて行ったおしぼりで拭いてやる。そして、その手を握った。(ひとりで指をしゃぶるより、手を繋いだ方があったかいし寂しくない筈だ。なまえは、血が繋がらなくても僕の大事な弟だ。僕が守ってやるからな) そう思いながら、なまえのあたたかさにいつしか夢の中へと落ちて行った。 僕は夢の中でも、なまえと手を繋ぎ駆け回って楽しげに笑い声をあげ遊んでた。
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