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● ○ ● ○ なまえは、隣国の王子。なまえの兄である大地さまが、治める隣国と我が国は友好国だ。両城は双子のように仲良く街外れの森の側に並び建つ。うちとなまえの所は、もうずっと昔から家族のようにお付き合いして来たんだ。父さんと前真山国王さまは、共に育った旧知の仲だったらしい。前真山国王さまの話しをしてくれた時に『本当の兄弟のように思っていた』と父さんは言ってた。 僕も隣の二人を、本当の兄弟のように思っている。大地さまは兄のように、なまえの事は弟みたいに思っている。なまえは僕が大好きみたいで、僕に一番なついてる。そんななまえを僕は可愛く思い、可愛がっている。 なまえ達のご両親である前真山国王夫妻の事は、何となくしか覚えてない。僕が四つ位の時に亡くなられたからだ。でも途切れ途切れに覚えてるのは、遊んでもらった事とお二人の笑顔。お二人とも優しい方だった気がする。 その時赤ちゃんだったなまえは、お二人を全く覚えてない。僕が覚えている事を話してあげたら、なまえはとても嬉しそうに笑った。 僕といない時なまえはすごく大人しい。僕と一緒の時とは違い、あまり笑ったり、泣いたりもしないらしい。 ばあやも使用人も側にいるのに、何故かどこかぽつんとした感じを受ける。(僕がいないとなまえはひとりぼっちだ) 迎えに行き見掛ける度に、何となくそう感じた。 大地さまはまだ成人されてないので、お勉強と執務でとてもお忙しい。どうしても時間が取れずになまえの世話は、ばあやや使用人に任せっきりになってしまう。それを大地さまは、気にしている。大地さまは、剣を持てばかなり強い。スゴい方だ。それでいてお優しい。父さんも強くて優しい。僕が母さんにそう話すと、こう仰られた。「ふふ……そうね。父上も大地さまも、格好良いわね。昴、男は強く優しいのが良いわよ? お母さまはそんな父上が大好きだもの。昴も大人になった時、そんな男になれると良いわね」「うん、なりたい。僕もなれるかな?」「貴方も人を大事に出来る優しい子だもの。昴が今のなりたい気持ちを、忘れず目指せばきっとなれるわ。ふふ、がんばって」 僕はいつか父さんや大地さまのような男になりたい。大地さまは僕の目標。大事な方だ。その大地さまがお心を痛めてる。だから僕は言った。「大地さまの分まで僕が、なまえをみてますから安心して下さい」 それに、大地さまだけでなく……僕はひとりぼっちのなまえが、心配で気になって仕方なかったんだ。
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