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● ○ ● ○ 今、オレはマサチューセッツ州ケンブリッジの空の下。これまでのように、オレの隣になまえはいない。あいつは今、日本で高校に通い頑張っている筈だ。 オレが留学する前に携帯を買い、もっぱらメールでやりとりをしている。 以前、あいつが中学の時分に二人で戯れに、恋愛小説を書いた事がある。あいつはそれを仕上げて、遊び半分で若者向けの文芸雑誌に投稿した。それがまぐれ当たりか、佳作を受賞した。副賞賞金をオレに、くれると言うから『それはお前が必要な時に使え』と貯金させて置いた。 高校に入ってからなまえはバイトを始めた。そして、その給料とその時の賞金で、アパートを借りて一人暮らしを始めた。保証人は秋月さんがなってくれた。 バイト掛け持ちで生活すると言い張るなまえ。心配で難色を示すオレに、秋月さんや阿久津さん、父さんやトメ達が『昴の代わりにしっかりみておくから大丈夫だ』と言ってくれた。 なまえにしても、いつまでも親の気紛れな暴力から逃げ回る生活では、辛いだろうという事で一人暮らしに行き着いた。 オレは海司にも頼み、あいつの情報をメールでもらっている。あいつは知らないが、あいつが言わない悪さも逐一耳に届く。 相変わらず喧嘩はしてるみたいなのと、バイクに興味を持ち始めたというのが、気になるがバイトと、勉強に頑張っているらしい。 あいつの事を思いながら無意識に胸元のペンダントを触る。 あの、好きと告白した後で、オレ達は揃いのシルバーのドックタグペンダントを買った。リングと迷ったが『ペアリングはいつかお嫁さんになる時まで、とっときたい』なんて可愛い事を言うので、ペアペンダントにした。(さて、今日も頑張らなきゃな) ひとり、気合いを入れてると後ろから声が掛かる。“Hey.Subaru, How you doing?”“Pretty good.How about you?”“Great!”“What's up?”“Nothing new.”(訳)「やあ、昴、調子はどう?」「なかなかいいよ。お前はどうだ?」「絶好調さ!」「何かあった?」「いつも通りさ」 そんな挨拶を交わす。ヤツはこっちに来て出来た友達だ。なかなか気の良いヤツだ。ヤツはここを卒業したら、日本に勉強しに行くと言ってる。いずれ、ヤツが留学して来たら日本の案内と、なまえを紹介すると約束してる。『でももし、手を出したらただじゃ置かないぞ』と言ったらヤツは『俺も、愛する彼女がいるんでな。心配要らない。それに俺は、お前がそんなに惚れ込んでる彼女を盗る程、悪党じゃないぞ』と豪快に笑われた。 なまえに会える日を楽しみにしながら、つい、ペンダントに触れる。ヤツがフッと笑い『なんだホームシックか』とからかい気味に聞いて来る。 (日本で頑張るお前に負けてられねーからな) そう胸の中でなまえに話し掛け『そんな事ねーよ』とニヤニヤするヤツに返し、オレ達は、キャンパスを歩き出した──。──君と時を重ねて。~もしもシリーズ──End.
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