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ひとり葛藤するオレの心情など彼女には分かる筈もなく、なまえはちょっと青ざめながら言った。「昴お兄ちゃん……怒ったの? ご、ごめん……」 その声に振り向くとなまえは、今にも泣きそうな顔をしてた。「えっ? 違うっ! 怒ってねーよ、そうじゃねー」『でも……』と俯くなまえに焦る。(ヤベー、これは……勘違いしたな) なまえの所に行き頬に手をやり顔を上げると、鼻の頭を赤くしてグシュグシュとベソを掻いてた。「何、泣いてんだよ。バカだな」 そう言って涙を拭ってやると、なまえが『嫌わないで……』と絞り出すみたいに言った。その少し震えた声に、ギュッと胸が締め付けられて、思わず強く抱きしめる。「バカ、嫌わねーよ。嫌うワケねーだろ。違うんだよ。逆だ、お前が、大好きだから大事にしたいって思ったんだよ!」「本当? 怒ったんじゃない?」「本当。ったくー、勘違いすんなよな。焦ったよ。言ったろ? 誰よりも好きだって。だいたいな、オレの好きは年季が入ってんだよ。そんなに簡単に嫌いになるかよ」『すばるぅー』とえぐえぐ泣きべそを掻きながら、抱き付いて来る。「……ん? お前今、昴って言った? 本当にお前は……さっきといい、今といい、突然だなー。もー。なぁ、泣いてないで、もういっぺん、ちゃんと呼んでみろよ」『ほーら』と言いながら身体を離し、涙を拭いてやり催促してみた。まだ、涙で潤むくりくりお目めで上目遣いにポソッと『昴……』と言った。それだけの事が、予想以上に嬉しく感じた。彼女をギュッと抱きしめる。「あーヤベー! お前、可愛すぎだから! もーすっげー好き! もうオレのだからな? 浮気すんなよ」「浮気なんかしないよ。昴のが心配だ。モテモテだもん。昴の周り、可愛い子や大人っぽい人いっぱいだもん……ねぇ、浮気しないでよ?」「クスッ、なんだ。今度は、妬いてんの? あー本当に、お前可愛いなー」「今、誤魔化した?」「誤魔化してなんかねーよ。誓えるよ。なんなら誓うぞ? じゃあ、ちゃんと聞いてろよ? [オレ、一柳昴は真山なまえ一筋で浮気はしない事を誓います!]ふふっ、安心したか?」『ん』と頷くなまえに目を細める。「なぁ、お前も誓える? オレを安心させて?」 コックリと頷き、なまえが言う。「僕、真山なまえは一柳昴一筋で浮気しないと誓います! 昴、大好き……」「オレも……じゃあ、誓いのキス、だ」 そう言って口づける。キスしながら、オレは心の中でもうひとつ、自分に誓いを立てた。(これから、何が起ころうが……オレは、なまえを大事にして幸せにする)
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