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「んー? だってさっきから、分かってるクセに聞くからさー。笑うよ。そりゃー、僕だって寂しいさ。こんなに一緒にいるんだからさ、寂しいに決まってんじゃん」『でも』と言葉を区切り真っ直ぐオレを見ると、打って変わった真剣な口調で言った。「僕は信じてる。僕等が築き上げて来たもの。きっと離れても、失われたりしないと思うよ。僕は日本で昴お兄ちゃんを待ってる。そんで、僕も昴お兄ちゃんに負けないように、がんばるんだ。昴お兄ちゃんはさ、自信無いの?」「自信?」「ん、僕達の関係性。もっと希薄でちゃっちいとか、離れたら消えちゃうとか思うの? ……つーか、昴お兄ちゃんはさ、離れたら僕の事を忘れちゃったり、要らなくなったり……するの?」「バカッ、そんなワケねーだろ! お前を忘れるとかありえねーんだよ」「じゃあ離れると僕が、昴お兄ちゃんを忘れる薄情なヤツだと思うとか? 待ってるって言っても信じられないんだ?」「薄情なんて思わねーよ! お前は待ってるっつたら待ってるヤツだ。それに、オレだってそんな薄っぺらな関係性だとは思ってねー。だけど……だけど、頭でそう思ったって、気持ちが……ついてかねーんだ! ……離れたく、ねーんだよ」 オレが最後にボソリと本音を言うと、なまえは『うん……だよね』と言った。「その気持ち。僕も、スゴくよく分かる。本音言ったらさ、僕も同じだよ。でも僕は、昴お兄ちゃんにはやりたい事はガンガンやって欲しい。そんでさ、やり遂げて涼しい顔で『どうだ、オレってすげーだろ』ってオレ様ぶりを見して欲しいの。そんなオレ様で強くて、自信満々で……でも、実は優しくて努力家な昴お兄ちゃんが、僕は子供の頃から、誰より一番大切で、大、大、だーい好きっ!……なんだからさ」「え?」「だ、か、ら、寂しくて離れたくないのは、僕も一緒。けど負けんなって言ってんの!」「いや、聞きてーのはそこじゃなくて……お前、好きって言った? その好きって、つまりそういう意味の──」 オレの方をふいっと向くと『もー』と言いながら、ぽすっと軽く形だけのパンチを腕に入れ、先に続く言葉を遮る。「ばか……。何べんも言わすなよ。は、恥ずかしいだろ。そんなカッコいい顔してさ、なんて鈍感だ。それこそ、ありえねーつーの! だいたいな、こういうのは男が、ばっちり決めろよ。いくら、僕が男みたいだからってぇ……もー言わすなよな!」 恥ずかしそうに、早口でまくし立てるなまえは、耳まで真っ赤かだった。 それは今までオレ達が、はっきりとは口に出した事がなかった気持ち。オレが聞きたかった言葉だ。嬉しくて、真っ赤かのなまえが可愛くて、たまらなくなった。「……ああ、そうだよな。男のオレが言わねーと、だよな。なまえ、オレ、お前が好きだよ。誰よりもお前が好きだ。オレ頑張るよ。お前をちゃんと守れる男になる。お前に約束する。だからこの先離れても、待っててくれ」
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